佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『老舗になる居酒屋 東京・第三世代の22軒』(太田和彦・著/光文社新書)

『老舗になる居酒屋 東京・第三世代の22軒』(太田和彦・著/光文社新書)を読みました。松江の名書店「artos Book Store」の書棚で見つけた一冊。東京だからなぁ。なかなか行けないからなぁと思いその時は別の本を購入したものの、はやり職場近くの本屋で購入してしまった。流石の眼力。読めばその居酒屋の良さが分かり、行きたくなります。紹介された酒肴の美味そうなこと、カラー写真入りなのでその魅力たるや甚だしいことこの上ない。酒のチョイスもシブイ。これはもう行くしかあるまい。

 

 出版社の紹介文を引きます。

佳き酒、佳き肴は、店主の誠実さのたまもの。老舗への道を歩む、若き居酒屋との出会いは、嬉しく、大事にしたいものである――。東京に数ある居酒屋の中で、開店から10年に満たないような若い店ではあるが、今後「老舗」になっていきそうな気骨のある22軒を、太田和彦が訪ね歩く。居酒屋の達人が自信を持ってお薦めしたい、東京の新しい良い店と、その味わい方。

 

 

老舗になる居酒屋 東京・第三世代の22軒 (光文社新書)

老舗になる居酒屋 東京・第三世代の22軒 (光文社新書)

 

 

 

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アジの南蛮漬けとサッポロクラシック(夏の爽快)

今日も良い天気でした。

家の裏庭には紫陽花が花をつけ、ユキノシタが花を咲かせています。

こんな日はビールが飲みたい。

ちょうど娘婿が北海道からサッポロクラシックを送ってきた。

2018年夏の数量限定商品「夏の爽快」。つい先日5月29日から、北海道限定で発売されたもの。

さっそく冷蔵庫に冷やし夕方に飲むことにして、ビールのつまみにアジの南蛮漬けを作りました。

夕方になるとアジの南蛮漬けが食べ頃に。

缶のプルトップをプシュッと開けた。

うまい。

ビールも南蛮漬けもどちらもうまい。

アジは富山産だが四尾で200円たらず。

それを須田青華窯の器に盛る。

考えてみれば、これも贅沢。

 

いろいろ茸の煮びたし

本日の厨房男子。

もうすぐ日が変わろうとしているこの時刻、

明日の朝ごはん用に、

あるいは、夕刻の晩酌用に、

「いろいろ茸の煮びたし」を作ります。

椎茸、なめ茸、えのき茸、しめじを酒と淡口醤油で煮るだけ。

料理しながら呑む酒は「裏 佐久の花」。

料理酒としても使う。

奢ったな。

でも、明日の朝、炊きたてご飯にこの煮びたしをかけて食べるとうまい。

きっとうまい。

2018年5月の読書メーター

5月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:2684
ナイス数:1183

 

 今月は何も考えず大好物ばかりを食べたが、ふり返ってみると結構栄養バランスも良かったなーという感じ。食堂・居酒屋系、時間ものSF系、ハードボイルド系、美術系、生きるヒント系・・・。良き読書にござった。ナイスも1,000を超えた。



つばき (光文社時代小説文庫)つばき (光文社時代小説文庫)感想
私が浅草を舞台にした前作『だいこん』を読んだのは2009年の9月のこと。もう九年近く前のことだ。気丈で凜とした生き方をするつばきは健在です。そしてそうしたつばきを周りから応援する人情も深川においてなお深まったように思える。こうした人情噺が描く価値観は多くの日本人が心の奥底に持つ原点であろう。フィクションでありながらつばきの幸せを願わずにいられない。惜しむらくは深川で店を始めた頃、大店の木島屋を騙って大口の注文をしたいきさつが拡がりを持って描かれなかったこと。意外な真実が隠されていたらさらに楽しめたのだが。
読了日:05月06日 著者:山本 一力


ゲイルズバーグの春を愛す (ハヤカワ文庫 FT 26)ゲイルズバーグの春を愛す (ハヤカワ文庫 FT 26)感想
秀逸なのは最後に収録された『愛の手紙』。時空を超えた恋愛ものはたくさんあります。『夏への扉』(ロバート・A・ハインライン)、『ライオンハート』(恩田陸)、『たんぽぽ娘』(ロバート・F・ヤング)、『ジェニイの肖像』(ロバート・ネイサン)、『美亜に贈る真珠』(梶尾真治)、『緑のベルベットの外套を買った日』(ミルドレッド・クリンガーマン)、『満月』(原田康子)、『君の名残を』(朝倉卓弥)などなど。しかし、決して出逢うことのない設定という面で『愛の手紙』は独創的であり、それだけに純化された想いが際立つ。名作です。
読了日:05月08日 著者:ジャック・フィニイ


日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)感想
心からこの本に出会えて良かったと思う。私は茶道について全く知らない。この本を読むまでは「抹茶は茶碗に残さないように、最後は音を立てて飲みきる」のが作法だということすら知らず、音を立てるのはマナー違反だとまで思っていたぐらいだ。読んで良かったのは、そのような作法がわかったからではない。森下さんが25年間お茶を続けてこられて、季節のサイクルに沿った日本人の暮らしの美学と哲学を、自分の体に経験させながら知り、それこそ森下さんの血となり肉となるに至ったというお茶の心を知ることが出来たからである。
読了日:05月09日 著者:森下 典子


北大路魯山人 (カラーブックス)北大路魯山人 (カラーブックス)感想
まずは頁の半分を割いて魯山人の陶磁器、濡額、磁印、書画を写真で鑑賞し、残り半分の頁で魯山人の生い立ちから芸術家としての生涯を概観できる構成の本です。本書をバスの中で読み、予習のうえ須田青華さんを訪問し、「あらや滔々庵」に宿泊した。「あらや滔々庵」では思いがけず初代・須田青華さんと魯山人の手になる器で食事をさせていただく栄に浴することが出来た。僥倖と云うべきだろう。
読了日:05月10日 著者:小松 正衛


明日は心でできている (PHP文庫)明日は心でできている (PHP文庫)感想
この本には余白が多い。きっとこの余白は読者が埋めるべき隙間、あるいは小山氏の意図を想察すべき空間。私にも余白はあるが、私のはただの「虚」。これが小山氏と私との現状の差。この先、この差が埋まることはありますまい。しかし、今日、小山氏のススメに従って「自分をいい人だと思える」よう振る舞ってみた。行く先々できうる限りの笑顔で「ありがとう」と言ってみた。とびきりの笑顔が返ってきた。物事が良い方向に動き始めた・・・そんな気がする。
読了日:05月25日 著者:小山 薫堂


魯山人味道 (中公文庫 M 123)魯山人味道 (中公文庫 M 123)感想
魯山人が繰り返し述べているのは、「料理のよしあしは材料のよしあし如何による」こと、そして「すべてのものは天が造る。人はただ自然をいかに取り入れるか、天のなせるものを、人の世にいかにして活かすか、ただそれだけだ」ということ。さらに「せっかく骨折ってつくった料理も、それを盛る器が死んだものでは、全くどうにもならない」ということ。
読了日:05月27日 著者:北大路 魯山人


闇の歯車 (文春文庫)闇の歯車 (文春文庫)感想
書き出しの一行にしびれた。「暑い夜だった。そして夜は始まったばかりだった」、ウィリアム・アイリッシュの『幻の女』の書き出しを彷彿とさせる。 五人の悪党が登場する。一緒に押し込みをはたらく。藤沢氏はそのそれぞれに別々の末路を用意する。まるで素材に合わせて料理するように。非情で容赦ない末路もあれば、しんみりとするもの、心が温かくなり未来を予感させるもの。なかなかの名料理人である。
読了日:05月29日 著者:藤沢 周平


死ぬほど読書 (幻冬舎新書)死ぬほど読書 (幻冬舎新書)感想
読書が必要かどうか、読書をすればどのようなメリットがあるのか、あるいはどのような能力が備わるのか、議論はいろいろあるところ。しかしはっきり言ってそんなことはどうでも良い。本好きは、それも紙魚やら書痴といわれるほどの本読みはそんな目先の実利を目的に読んでいるのではない。本が本当に好きで読んでいるのだ。ほとんど病気なのだ。  おそらく著者・丹羽氏とてそれは同じだろう。とはいえ、本書で丹羽氏がおっしゃっていること、読書することによるプラスの応報はまったく正しい。異議ございません。
読了日:05月29日 著者:丹羽 宇一郎


エヴァンゲリオン展 図録エヴァンゲリオン展 図録感想
先日、松山に行ったときに島根県立美術館で買い求めた『エヴァンゲリオン展』(図録)。ページをめくり手書き鉛筆による繊細な手仕事を一枚一枚観ていくのは楽しい。生の画だけが持つ原初のスピリッツとでもいえば良いのだろうか・・・ビンビン伝わってきます。展示室に入ってほどないところにあった「新世紀エヴァンゲリオン」オープニング・セル画の一瞬写るレイ。未来を夢見るようなまなざし。可愛くもあるが、誇り高くもある表情。口元は強い意志をもって硬くむずばれている。なかなか良いではないか。一目惚れであった。
読了日:05月31日 著者:朝日新聞社


長沢蘆雪 -躍動する筆墨-長沢蘆雪 -躍動する筆墨-感想
2018/05/26 レンタサイクルで松江市内をポタリング中に松江城東隣「松江歴史館」にさしかかり、企画展『長澤蘆雪_躍動する墨筆』をやっていることを知る。僥倖と言わねばなるまい。ここで西光寺の「龍図襖絵」「虎図」だけでなく、但馬・大乗寺の「群猿図襖絵」、和歌山・草堂寺「虎図襖絵」に出会えるとは思わなかった。大胆というか、あまり細かく突きつめないおおらかなタッチが好きだ。蘆雪の描く虎は側にいても襲ってこない気がする。群猿図の猿の表情に遊び心を感じる。これらは蘆雪の人柄があらわれたものなのであろうか。
読了日:05月31日 著者:藤岡奈緒美


居酒屋ぼったくり〈1〉 (アルファポリス文庫)居酒屋ぼったくり〈1〉 (アルファポリス文庫)感想
文学小説としての完成度や味わいはともかく、七編の短編それぞれに美味しそうな酒肴と酒が出てきて、左党にはなかなか魅力的だ。第一話にでてくる「卵黄の味噌漬け」など私も作ったことがあるが、出てくる酒肴はどれも簡単にできて、しかも美味しいであろうものばかり。酒は敢えてプレミアムがつくような銘柄を避けて紹介している。作者の秋川さんはなかなかの左党とみた。
読了日:05月31日 著者:秋川 滝美

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