ママ、わたし恋をしているの。
彼の名前はシルヴァー。
とび色の瞳に、赤いビロードのような髪、
そして、肌は銀色なの。
わたしは彼を憎んだ。
ボックスか車輪だったらよかったのに。
あるいは人間だったら。
(本文27Pより引用)
『銀色の恋人』(原題:The Silver Metal Lover)を読みました。
背表紙の紹介文を引きます。
シルヴァー―エレクトロニック・メタルズ社が試作した人間そっくりのロボット。とび色の瞳に赤褐色の髪、銀色の膚をしたシルヴァーはギターをつまびき、ありとあらゆる歌をかなでる。ひとびとは心を揺さぶるその歌をきそって聞きたがった。だが、たったひとつエレクトロニック・メタルズ社にとって誤算が生じた。シルヴァーに恋する少女が現われたのだ!物語の名手が紡ぎだす、少女とアンドロイドとのSFラブロマンス。
果たしてヒトとアンドロイドという二つの種族(?)の恋は成就するのか?
ヒトとは何か?
アンドロイドとは? 機械とは?
ヒトと機械との違いは何か?
恋するとはどういうことなのか?
感情とは何か? 非論理的な現象なのか?
機械は論理的思考しかできないのか?
読みながら様々なことを考えさせられる一冊でした。そして、少女の一途な気持ちが私のハートのど真ん中を射貫きました。