4月29日
転んで転んで転び抜き、砂と泥にまみれたその手で勝利をつかめ、我が子よ!
星一徹のような目で見つめる俺から、なぜだか目をそらす子供。
『吉田自転車』(吉田戦車/著・講談社文庫)を読みました。どうですこのカバー装画。吉田戦車氏の画です。インパクトがあります。
裏表紙の紹介文を引きます。
時にはあてどもなくこきこきと、ある時はがしょがしょと雪を削りながら、俺はペダルをこぐーー愛車・ナイスバイク号にまたがり、『伝染(うつ)るんです。』の人気漫画家が、主に都内近所をゆるゆると疾走する初のエッセイ集。穴場的蕎麦屋へ激走せよ! 燃えよ体脂肪! 暴虐の駐輪場! チャリ文集に、乞うご期待!
ギャグマンガで人気の吉田戦車氏の自転車に関係したエッセイ集。自転車に乗ってうまい蕎麦屋に行く。蕎麦屋では酒を飲む。正しい中年自転車乗りの姿です。法律的には多少問題ありかも知れませんが・・・・。
どの逸話も感覚的にフィットするというか、よくわかります。例えばぴちっとしたタイツ状のサイクリングパンツについて、氏は恥ずかしくてはけないという。イアンソープが着ていた全身水着を素人が身に付けるようなもので相当気恥ずかしいというのである。そのとおりです。アマチュアでもかなり乗り込んでいる人でないと着てはいけない「自転車ズボン界のストラディバリウス」だと・・・・・御意。