小さい魂しかない奴の剣道は、小さいし、
デカい魂を持つ奴の剣道は、やっぱりデカいよ。
あたしは………デカい剣道をやりたい。
『武士道シックスティーン』(誉田哲也/著・文春文庫)を読みました。
映画化され5月1日から公開されるようです。
兵庫県では「シネリーブル神戸」で上演。姫路に住む私にはちょっと行きにくいか。
裏表紙の紹介文を引きます。
武蔵を心の師とする剣道エリートの香織は、中学最後の大会で、無名選手の早苗に負けてしまう。敗北の悔しさを片時も忘れられない香織と、勝利にこだわらず「お気楽不動心」の早苗。相反する二人が、同じ高校に進学し、剣道部で再会を果たすが…。青春を剣道にかける女子二人の傑作エンターテインメント。
面白いです。剣道を高校の体育の授業でかじっただけの私にも面白く読めました。まさに一気読みです。主人公の二人(映画では成海璃子さん、北乃きいさん)の魅力の為せる技でしょう。未完成の人格。理屈抜きのエネルギーの奔流。迷い、そして自信喪失。誰もが通り過ぎてきた青春。それを50歳を迎えた私も思い出し、共感し、知らず知らず主人公にエールを送っていました。
続編『武士道セブンティーン』『武士道エイティーン』も読まねばなるまい。また、先日読んだ『ストロベリーナイト』の続き(姫川玲子シリーズ)も読みたい。そして誉田哲也氏の小説ではないが、剣道に絡む小説『鹿男あをによし』(万城目学/著)も幻冬舎からやっと文庫本が出たようです。これも早く読みたい。ちっぽけな人間にとって本の海はあまりに広く、50歳の中年男の余命はあまりに短い。私は……デカい本の海を泳ぎ切りたい。読まずに死ねるか!!