佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

イレギュラー

 

負けても、涙を流して悔しがったことなんかないんだろ?

泣かないんじゃない。泣けるほど努力してないってことだ。予め、悔しさを誤魔化すためにな。

                   (本書P160より抜粋)

 

 

 

『イレギュラー』(三羽省吾・著/角川文庫)を読みました。

まずは裏表紙の紹介文を引きます。


村が水害にあい、練習もままならない蜷谷高校・通称ニナ高の野球部。剛速球投手コーキも、日々その素質をくすぶらせていた。そんなニナ高に目を付けた名門野球部K高。格下相手を練習台にしようというのだ。自分の球に絶大な自信を持つコーキは、合同練習初日に勝負を挑むが結果は特大ホームラン。プライドをボロボロにされたコーキはリベンジに向けて、猛練習を開始した。ダメダメ野球部のむやみに熱い青春ストーリー。


 読み出したら最後、他のことが手につかず一気読みです。物語として読者の興味をグイグイ惹きつけ没頭させる、そんな力のある小説です。ただただストーリーを楽しみ、その展開にハラハラドキドキさせられながら、続きがどうなるか気になって目が離せない。例えば良くできた続きもののドラマがありますが、その週の話を見終わって「次週につづく」とテロップが流れたときの「あぁ~、つづきが気になる~、いったいどないなるねん?」という気持ちで読み続ける感じです。高校野球を観なくなってから久しい私ですが、めったやたらと熱くなりました。