佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

挑戦する酒蔵 - 本物の日本酒をもとめて

本当においしい酒は「もう一杯」と自然に手が出る酒です。

私が本当に造りたかったのはそういう酒です。グッと飲んで、まず、おいしさを感じる。次にほのかないい香りが漂ってくる。一度、盃をお膳に置いて、つまみに手を伸ばす。相対している人と話をするうちに、空いた手が自然と盃に伸びる。気がついたら自然に手が伸びている酒、そんな酒が一番いい。

                               (本書P83より抜粋)

 

 

 『挑戦する酒蔵 - 本物の日本酒をもとめて』(酒造環境研究会・編)を読みました。私の酒の師匠のお一人、Y隊長さんからいただいたご本です。Y隊長さんは本書の著者のお一人でもあります。ただの酔っ払いオヤジだと思っていたのですが、ホントはスゴイ人だったのですね。海より深く感謝、山より高く尊敬です。

 日本酒に関する知識の薄い読者のことも考え、まずは日本酒の醸造過程も含めた酒の基本を解説したうえで、個性的かつ意欲的な酒蔵の取り組みを紹介し、〆はそれを飲ませる名居酒屋を紹介するという内容。まさに「一麹、二酛、三造り」という酒造りの基本を押さえたかのような構成です。全体をとおして酒を心から愛し、酒蔵を熱く応援する気持ちがひしひしと伝わってくるご本でした。

 Y隊長さん、新宿の「樽一」にはきっと行きます。そして行くときはこの本を持参します。そうすればきっと「樽一」がちょっとしたサービスをしてくれるのではないかというスケベ心を抱きながら……

 良いご本をありがとうございました。