佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

名刀伝 傑作日本刀小説アンソロジー

『名刀伝 傑作日本刀小説アンソロジー』(細谷正充:編/角川時代小説文庫)を読みました。

刀は武器でありながら、芸術品とされる美しさを併せ持ち、
のみならず霊気を帯びて邪を払い、帯びる武将の命をも守るという。
武人はそれを「名刀」と尊んで佩刀とし、刀工は命を賭けて刀を作ってきた─。
そうした名刀たちの来歴や人々との不可思議な縁を、名だたる小説家たちが描いた傑作短編を集めました。
浅田次郎「小鍛冶」、山本兼一「うわき国広」、東郷隆「にっかり」、
津本陽「明治兜割り」に、文庫初収録となる好村兼一「朝右衛門の刀簞笥」、
羽山信樹「抜国吉」、白石一郎「槍は日本号」を収録。
日本刀の持つ奥深い世界と、小説の「切れ味」をご堪能ください。

 

名刀伝 (ハルキ文庫 ほ 3-3 時代小説文庫)

名刀伝 (ハルキ文庫 ほ 3-3 時代小説文庫)

 

 

収録されたのは下記の7編と中村彰彦氏のコラム。

  1. 浅田次郎 「小鍛冶」(小狐丸)
  2. 山本兼一 「うわき国広」(堀川国広)
  3. 東郷 隆 「にっかり」(にっかり青江)
  4. 羽山信樹 「抜国吉」(粟田口国吉)
  5. 津本 陽 「明治兜割り」(同田貫正国)
  6. 好村兼一 「朝右衛門の刀簞笥」(和泉守兼定)
  7. 白石一郎 「槍は日本号」(日本号)

私の 気に入りは浅田次郎 「小鍛冶」、山本兼一 「うわき国広」。特に「うわき国広」が人間的なユーモアがあって良い。また白石一郎 「槍は日本号」で「黒田節」に唄われた母里太兵衛のエピソードを知ることができたのは嬉しかった。