『新版 落語手帖』(矢野誠一・著/講談社)に紹介された274席のうちの14席目は『居残り佐平治』。別名『おこわ』。
三代目・古今亭志ん朝師匠の名演がありました。立川談志師匠のものも見つけましたが、ここはやはり志ん朝師匠で。素晴らしい話芸です。
枕で「四、五両の おこわをむす子 夕べくい」という川柳が紹介されます。これで「おこわ」の意味が分かります。噺の後で山本文郎氏と榎本滋民氏の対談がある。榎本氏の解説がたいへんよく分かる。当時の江戸の知識を仕入れてもう一度聴くとさらに味わい深い。この種の噺は江戸落語がいいようです。