ウェルズの日記

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『イケズの構造 / 入江敦彦(著)』(新潮文庫)を読む

 うんこさんか
ハハハ・・・・
それはな、「おなら」と「おしっこ」には「お」がついてるのに、
「うんこ」には「お」が付いてないので、
代わりに「さん」が付いてるわけや

イケズの構造 (新潮文庫)

イケズの構造 (新潮文庫)

『イケズの構造 / 入江敦彦(著)』を読みました。入江敦彦氏は『京都人だけが知っている』シリーズが有名だそうだが、私が読むのは初めてである。何故、この本を読もうと思ったかというと、ある「読書の会」の今月の課題本なのです。

裏表紙の紹介文を引きます。

京都を訪ねる人をおびえさせる、“京都人のイケズ”。いろいろ誤解はあるけれど、その真相はもっとすごい?信じがたく恐ろしい爆笑エピソードから歴史的分析、誤解のツボと真相、声に出して読みたい京言葉、古典的名著のイケズ語訳まで、誰も語らなかったウラ・深層・ホンネ。千年磨かれた言葉の至技“イケズ”を「まま、存分に笑って楽しんでおくれやす」。よそさん必読の傑作エッセイ。


笑えます。『イケズ』でしかも『いらんこといい』の京都人の持つ陰翳、隠微な心の襞が垣間見え、それを笑いながらも、我々、非京都人(よそさん)は「ひょっとして自分は単純バカの田舎者ではないのか」と冷や汗をかきます。考えさせられます。あまり考えすぎると疑心暗鬼になり情緒不安定になります。ひさうちみちお氏のイラストもなかなかよろし。

『イケズ』は陰険ではない。
『イケズ』は意地悪ではない。
『イケズ』は皮肉ではない。
『イケズ』はイヤミではない。
『イケズ』は毒舌ではない。
『イケズ』は天邪鬼ではない。
『イケズ』はイジメではない。
『イケズ』はそれらと同義であると誤解されるほどそれらに近いところに身を置きながらも、微妙にその位置をずらし、はぐらかしながらそれとなく相手に本質をさとらせる『極めて高度な頭脳労働』である。あるいは相手を傷つけすぎることなくネガティブな意向を相手に伝える微妙な間(距離感)である。


京都人は慇懃でなければならない。
京都人はおもねらねばならない。
京都人は『いらんこといい』であらねばならない。
京都人は飯どきを避ける気遣いがなければならない。
京都人は珈琲を勧められても断る遠慮がなければならない。
京都人は「うんこ」に「さん」をつけなければならない。
京都人は「違う」を「ちゃうちゃう」と繰り返すことでやんわり拒絶しなければならない。
京都人は恥の本質に敏感でなくてはならない。
京都人は相手の言葉の裏にある意味を解析する頭脳がなければならない。
京都人は相応しくない客にものを売ってはならない。
京都人は子供であっても不躾であってはならない。
京都人はイケズの名の下に平等でなくてはならない。
京都人はツッコミにクロスカウンターでツッコミ返さなくてはならない。
京都人は木綿豆腐を冷や奴で食べてはならない。
京都人は人の言うことを額面どおりに受け取ってはならない。
京都人は技巧を旨とし感情的になってはならない。
京都人は「よう知らんけど」という言葉を語尾につけなくてはならない。
京都人は徹底した個人主義でなければならない。
京都人は自己韜晦するような真似をしてはならない。
京都人はチャーミングな偏屈でなくてはならない。
京都人はおいしい会話を楽しまねばならない。
京都人はイケズに鍛えられて精神に免疫をつけなければならない。
つまりタフでなければならない。
しかし、京都人はズバリ直接的にものを言い相手を傷つけてはならない。
つまり優しくなければ京都人たる資格がない。

いやーつかれるわ。賢すぎて私ら播州人はついていけへんわ。あーしんど。