佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『グルメぎらい』(柏井壽・著/光文社新書)

『グルメぎらい』(柏井壽・著/光文社新書)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

「美味しいものを食べることと、グルメという言葉のあいだには、おかしな距離ができてしまった。」(「はじめに」より)。「おまかせ料理」という名の「お仕着せ料理」をありがたがる“自称グルメ”、味よりもインスタ映えを気にする客と店、料理人を愛称で呼んで馴れ合うブロガー、予約の取れない店自慢……。今のグルメ事情はどこかおかしい――。25年以上食を語ってきた著者による、忖度なしのグルメ批評!

 

グルメぎらい (光文社新書)

グルメぎらい (光文社新書)

 

 

 いささか乱暴をお許しいただいてひと言で言えば「かりそめにもグルメを標榜するならば、本当に心の籠もった上質なものを食べよ。ブームに乗せられてこれ見よがしのものに惑わされるな。はしたないふるまいをするでない」といったことでしょうか。

 ちなみに京都のホテルに泊まった朝、本書を読み終え、何はともあれ向かったところは「殿田食堂」。概ね半年ぶりに訪れました。

 まずは迎え酒にビール小。半年前はたぬきうどんを食べたが今日は「中華そば 700円」。普通にうまい!

 

 

京の夜(下鴨茶寮、日本酒BARあさくら)

6月9日夜、K先生とK社、S社の方と食事をしながらの打ち合わせ。

初めての下鴨茶寮。噂に違わぬすばらしいもてなしと味。

おいしゅうございました。

飲んだ酒も「春鹿」「蒼空」「尾瀬の雪どけ」「李白」だったかな?

あ、そうそう、デザートに合わせて飲んだ松本酒造の酒がすばらしかった。

淡麗辛口ながらフルーツを思わせる上品な甘みと香り。

デザートのタイミングでのK先生のチョイスに脱帽。

勢いで行った2軒目は「日本酒BAR あさくら」。

個性的な酒を数種。

記憶が曖昧だが、完熟の甘さと酸味を感じる酒「舞美人」の山廃が強烈な印象を残している。

幸せな夜にござった。

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第428回 旬の会

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6月の「旬の会」は高砂「梅はら」さんにて。

料理は地鶏です。

酒のラインナップは上の写真のとおり。「豊の秋 純米吟醸 辛口原酒」「久保田 純米大吟醸」「甲子 純米吟醸 無垢の酒」「信濃鶴 純米原酒第六天 生」。

うまい。酒も地鶏もうまい。

帰りに姫路で立ち寄ったのは「ボン・ヴォヤージュ」。

流しの兄さんに ”THE BLUE HEARTS” の曲をリクエスト。

『恋する日本語』(小山薫堂・著/ソリマチアキラ・絵/幻冬舎文庫)

恋する日本語』(小山薫堂・著/ソリマチアキラ・絵/幻冬舎文庫)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

「あえか」「紐帯」「那由他」「玉響」…耳にしたことはあるけれど、意味がよくわからない日本語。たとえば、「赤心」とは「偽りのない心」のこと。「一曲」とは「ちょっとすねる」こと。言葉の意味をひもといてみると、そこには恋人たちの何気ない日常の瞬間が溢れている。日本語の美しい響きと甘く切ない恋心が堪能できる35のショートストーリー。

 

恋する日本語 (幻冬舎文庫)

恋する日本語 (幻冬舎文庫)

 

 

  本書にでてくる言葉は「あえか」「涵養 かんよう」「紐帯 ちゅうたい」「気宇 きう」「転た うたた」「相生 あいおい」「如意 にょい」「赤心 せきしん」「浹洽 しょうこう」「玉響 たまゆら」「泥む なずむ」「僥倖 ぎょうこう」「偶さか たまさか」「那由他 なゆた」「夕轟 ゆうとどろき」「終夜 よすがら」「一典 ひとくねり」「時雨心地 しぐれごこち」「恋水 こいみず」「焰 ほむら」「恋風 こいかぜ」「刹那 せつな」「客愁 かくしゅう」「洒洒落落 しゃしゃらくらく」「忘れ種 わすれぐさ」「滝枕 たきまくら」「喃喃 なんなん」「心掟 こころおきて」「番い つがい」「邂逅 かいこう」「阿伽陀 あかだ」「揺蕩う たゆたう」「垂り雪 しずりゆき」「帰趨 きすう」「遠近 おちこち」の35の言葉。

 よく意味を知らない言葉や初めて出会った言葉もある。あえてフリガナをふったが読めないものもいくつかあった。情けないことである。

「浹洽 しょうこう」など私の愛辞書「新解さん」にもでてこない。大辞林には

①広く全体にゆきわたること。 「衷情未だ-せざればなり/明六雑誌 1」
②心がうちとけること。すっかりなれること。

 とある。なるほど。

 私にも好きでよく使う言葉がある。「忠恕」「矜持」「僥倖」などがそれだ。「僥倖」は本書にも出てくる。小山氏のようにこれが「恋をするために生まれた言語なのだ」と感じる感性は私にはない。私の好きな言葉はなにやら硬い。無粋だともいえる。どうやら私が女性にもてないのはこうしたところが災いしているようだ。情けないことである。

 

 

 

 

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『極みのローカルグルメ旅』(柏井壽・著/光文社新書)

 先日、柏井先生の『グルメぎらい』が出版されたので早速購入。しかし私の本棚には『極みのローカルグルメ旅』(光文社新書)が未だ積読本の状態である。「柏井先生、グルメなのか、グルメぎらいなのか、いったいどちらなのですか? そこのところはっきりしていただきたい。えっ?えっ? どうなのだ!」と心の中でするどいツッコミを入れながら(先生、ゴメンナサイ。(^^ゞ)、まずは『極みのローカルグルメ旅』から読むことにした。物事には順序があるのだ。

 出版社の紹介文を引きます。

麺、ごはんもの、駅弁、居酒屋。全国の有名店・老舗の名店から知られざるローカルグルメまで、柏井壽が実際に食べ歩いて見つけた83店を厳選。地方都市の情報を主に紹介しているので、出張、一泊旅行で「何食べよう?」と迷った際にも使える情報満載! 基本的にひとりでふらりと入れるお店が中心だから安心。ついでにおすすめホテルまで紹介しています。詳細な店舗リスト・地図つきなので、街歩きのお供にぜひ一冊。

  

極みのローカルグルメ旅 (光文社新書)

極みのローカルグルメ旅 (光文社新書)

 

 

 こうした本を読むと人生が短くなってしまって困る。いや、本を読んで寿命が縮むわけではない。仮に80歳までの寿命があるとして、私に残された時間は約20年。その20年の間に訪れたい地方、行くべき店、食べたいものが増えすぎて困るのだ。読み終えた今、「これでは寿命がいくらあっても足りないではないか」とブツブツ言いながら夥しい数の付箋をつけた店情報をPCにファイリングし、Google マップに☆印を付けていく。ああ忙し。

 

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水曜日会 ホテル・シーショアリゾートでの食事会

 水曜日会は毎月第一水曜日に集まって在来種保存会の山根成人さんと版画家の岩田健三郎さんを囲んで酒を飲む会。もう7年ばかり続いています。

 そんな水曜日会が四年前から6月にはホテル・シーショアリゾートでの食事会を開催しています。水曜日会のメンバーでもある小島正義シェフの料理を食べようというもの。播磨の食材を使って、この地域で昔から食べられてきた料理を含め様々な料理を供していただきます。水曜日会のメンバーが作った野菜も食材としてたくさん使われています。

 料理と一緒に楽しむ酒も楽しみの一つ。今年は壺阪酒造の酒を用意していただきました。壺阪酒造の「雪彦山大吟醸」はここ二年連続で全国新酒鑑評会の金賞を受賞しています。乾杯酒としていただきました。

 

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貴与次郎で食事

ご縁があって知り合った堀井さんのお店「貴与次郎」に行きました。

5,500円のランチ。

奇をてらうことなく、真面目に作った料理という印象。

きちんととったダシの味でくどさがない。

堀井さんの人柄そのものだと思います。

とりわけ美味しかったのは白味噌仕立ての鮑。柔らかくやさしい味でした。

そして、炊きたてご飯と漬物の美味しかったこと。

炊き込みごはんのようにごまかしがきかないだけに、私の食事のスピードに合わせて土鍋で炊き上げていただいたようです。

ご飯だけを口に入れても物足りなさなど微塵も感じることはありません。

あぁ、日本人に生まれて良かったと思った刹那。幸せを感じました。