佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『新福菜館 本店』の京都ブラック

2019/07/07

 

 昨夜は京都にて壱岐市長と会食。下京区天神前町の町家風情の京都らしい店。気取って無くて落ち着きます。料理も奇をてらわず、ほっこりと優しい味でした。

 二次会は「からすま京都ホテル」地下の「BAR ANCHOR」。その後、知人に祇園のクラブ「K」に連れて行ってもらうというなかなか充実した夜であった。

 と言うわけで、今日の昼は汁物。京都駅にほど近い『新福菜館』の中華そば。黒いスープがなみなみと注がれ、下に皿で受けている。このスープを存分にすすってくれというメッセージか。見た目ほど味は強くないが奥の深い味のスープ。中太ストレート麺が食べ応えあり。なかなかうまい。

2019年6月の読書メーター

 先月から羽州ぼろ鳶組シリーズを読み続け、とうとう既刊第8巻『玉麒麟』まで読み終えてしまった。そろそろ禁断症状が現れ始めている。禁断症状を抑えるため北方謙三氏の『水滸伝』(全19巻セット)を買ってしまった。今村翔吾氏にはぼろ鳶組シリーズの続編を早く上梓していただきたい。

 

6月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:3799
ナイス数:1784

モモンガの件はおまかせを (文春文庫)モモンガの件はおまかせを (文春文庫)感想
ペットを巡る人間の身勝手ゆえの問題。これは結構深刻な問題である。その問題を真正面から取り組みながら、軽妙な語り口、登場人物の掛け合いがユーモラスで重くならず、ミステリ小説として存分に楽しませてくれる。お見事としか言いようがない。  相変わらず鴇先生は魅力的で今巻でも大活躍だが、今巻で特に爬虫類担当の服部君とその愛犬・ディオゲネスの活躍が目立った。変態服部君の無駄な知識も笑える。 
読了日:06月24日 著者:似鳥 鶏


ウルフ・ムーンの夜 (ハヤカワ・ミステリ文庫)ウルフ・ムーンの夜 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
私立探偵アレックス・マクナイト・シリーズ第二弾。アレックスは自分は私立探偵をやめたと言い張っているが、助けを求める人を目の前にして放っておくことなどできない。優秀な(?)相棒(?)も現れた。すくなくともこの相棒は「あんぽんたん」などではない。いけ好かない野郎とおもっていたメイヴン署長が案外味のある男だったことにびっくり。今後の展開が楽しみ。シリーズ第三弾『狩りの風よ吹け The Hunting Wind』も読まねばなるまい。
読了日:06月22日 著者:スティーヴ ハミルトン


背いて故郷 (新潮文庫)背いて故郷 (新潮文庫)感想
志水辰夫氏の初期三部作と称される一作。やはりラストの叙情性がたまらない。シミタツ節全開である。主人公が男くさい。というかオッサンくさい。しかも面倒くさい性格でもある。直木賞候補には挙がったらしいが、そのあたりに難があったかと思う。しかし、それにしてもシミタツらしい。好きだなあ。
読了日:06月21日 著者:志水 辰夫


如何なる星の下に (講談社文芸文庫)如何なる星の下に (講談社文芸文庫)感想
がっかりである。舞台は昭和10年代の浅草。浅草に仕事部屋を間借りした中年作家・倉橋が別れた妻への未練を持ちつつ、踊り子の少女に恋慕の情を抱く。浅草の芸人や物書きたち、その他住民との交流、浅草の持つ混沌の不思議な魅力とそこに住住む宿命への諦念を前衛的・実験的な手法で描いたということなのだろう。  私小説だかプロレタリア文学だか知らないが、ぐだぐだと無秩序に書き殴った文章は読みづらく美しさのかけらもない。安っぽいヒューマニズムなどまっぴらごめんだし、自己憐憫のニオイがプンプンというのはいただけない。
読了日:06月18日 著者:高見 順


ブックのいた街 (祥伝社文庫)ブックのいた街 (祥伝社文庫)感想
犬好きと猫好き。やっぱり私は犬が好きだ。犬の心には”献身”がある。いとおしいではないか。私は生き物を飼うことをしないと心に決めている。かわいがるだけの十分な時間がとれないし、なんといっても死に別れるのがいやだから。しかし、本書を読んで犬を飼いたくなった。狂おしいほど飼いたくてたまらなくなってしまった。この気持ちを抑えきることができるかどうか、不安である。良い物語を読ませていただきました。ほんとうにじんわり心が温まりました。
読了日:06月14日 著者:関口尚


玉麒麟 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)玉麒麟 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)感想
満を持して鳥越新之助が主役に登場。と言っても豪商一家惨殺及び火付けの下手人として逃走し失踪するというとんでもない展開。窮地に追い込まれながらも一人で立ち向かう新之助とそんな新之助を信じてなんとか真相を突き止めようとするぼろ鳶組の面々。いや新之助を信じて疑わないのは他の火消も同じ。若き日の長谷川平蔵鬼平)の探索も冴え、事件の真相に迫っていく。失踪中の新之助を描く場面、何が起こっているのかわからないまま事件を探り新之助を助けようとする火消したちや平蔵を描く場面、それぞれをカットバックの手法で描いたは見事。
読了日:06月13日 著者:今村翔吾


狐花火 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)狐花火 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)感想
前巻『夢胡蝶』で田沼によって語られた問「千人の籠る屋敷、一人が暮らす小屋、どちらかしか救えぬならば、お主はどちらを救う」に対する答えが今巻での源吾の行動であろう。それは一つの答えであり、誠実な生き方、あるいは死に方に違いない。しかし本当にそれで良いのか。松永源吾は妻・深雪、子・平志郎にとって、さらにぼろ鳶組の面々にとってかけがえのない存在だ。もはや蛮勇をふるって死んでも良い存在ではない。源吾が最終的にどのような答えに至るのか興味津々である。このシリーズが描くのは「死に様」ではなく「生き様」であるはずだ。 
読了日:06月12日 著者:今村翔吾


夢胡蝶 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)夢胡蝶 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)感想
前巻では新之助と武蔵の活躍にスポットがあたったが、今巻ではぼろ鳶の纏番・彦弥が主役級の扱い。女好きの色男の彦弥ゆえ、どうしても軽薄なイメージがついてしまい脇役に甘んじていた彦弥だが、ところがどっこい根っこの部分で純なところがあった。「女の頼みは断らねえ」という意気や良し。流石、女心への寄り添い方は堂に入っている。
読了日:06月09日 著者:今村翔吾


菩薩花 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)菩薩花 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)感想
今巻で光ったのは麒麟児と称される新庄藩火消の頭取並・鳥越新之助一刀流が冴え渡る。前巻でほとんど出番がなかっただけに、今巻での活躍はめざましくまぶしいほどだ。ただ番付には殆ど影響しなかった。作者は新之助をこのような形でいじってかわいがっていると見える。それは深雪が新之助をいじるやり方と同じだ。存分にかわいがっている。(笑)  本シリーズは「ぼろ鳶組」であるが、深雪シリーズの様相を呈してきた。おそらく男女に共通して支持されるキャラだろう。深雪が登場する場面を楽しみに読み進める読者も多いに違いない。
読了日:06月05日 著者:今村翔吾


鬼煙管 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)鬼煙管 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)感想
火喰鳥の異名を持つ新庄藩火消頭・松永源吾と心を通じ合わせる長谷川平蔵は『鬼平犯科帳』(池波正太郎)の描く鬼平こと火付盗賊改方長官長谷川平蔵の父である。今巻ではその鬼平の若き頃、銕三郎と呼ばれていた頃のエピソードが織り込まれた物語。序章と終章に描かれた長谷川平蔵宣雄と銕三郎(後の鬼平)の心のふれあいが泣かせる。「魁」の異名を持つ武蔵と六代目平井利兵衛・水穂に恋愛フラグが立ったか。次作が楽しみ。
読了日:06月02日 著者:今村翔吾

読書メーター

天満天神繁昌亭杮落とし貸切公演

2019/07/01

 

 天満天神繁昌亭リニューアル工事が完了し、本日7月1日は杮落とし貸切公演。播磨地区からバスでお客様を200名近くお連れしました。

 不肖、私、開会の挨拶をさせていただきました。おそらくリニューアル後、最初にマイクを持ったのは私です。

 

夏野菜キーマカレーと手羽元カレーの相がけ

 本日の厨房男子。

 蒸し暑い一日。こんな日はカレーです。夏野菜のキーマカレー手羽元のカレーを作りました。

 まずは料理しながらの酒。「ロイヤル・ハウスホールド」をロックでやります。

 キーマカレーの具は豚挽肉とさやインゲン。茄子、ズッキーニ、ゴーヤを添えました。赤いカレーは手羽元を柔らかく煮込んだものです。

 なかなかスパイシーでうまい。

酒とゴルフの日

2019/06/29

 

 今日は姫路経営者協会のJRK-研究会のOB会ゴルフコンペ。

 先日、株主総会も無事終了し、目一杯楽しめるゴルフである。梅雨入り宣言もあり数日前の天気予報は雨だったはずだが、日本近海で発生した台風が一過、なぜだか晴れてしまった。私はつくづく晴れ男だと思う。好天の神に祝福されている。大方は曇っていたが、プレー中しばしば太陽が顔を見せ、すっかり夏の日差しであった。

 プレー中の茶店ではキリッと冷えたビールがうまい。昼メシの休憩は1時間、呑んでばかり。S氏がキープしている「明るい農村 赤芋熟成古酒」がこれまた滅法うまい。午後の茶店ではキリッと冷えた「八重垣」も呑みました。

 スコアはINスタートで49+45=94。酔っ払ってのラウンドにしてはまずまず。珍しくOBは無し。

 結構呑んだので、酔っている感覚は全く無かったが念のため車に乗る前にアルコールチェック。アルコールが残っているようなら運転はできない。1~2時間は本でも読んで過ごすつもりだったが、運動したのでアルコールも筋肉で燃えたらしい。無問題。

 家に帰るなり「青酎」をロックでやりました。肴は「豆腐のもろみ漬け」。酒にせよ、もろみにせよ、麹菌の仕業には感服する。世にさまざまなうまいもんがあるが、発酵食品に優るものはない。連れあいが作ってくれた鯵フライ、キャベツの千切り、サヤインゲンの天ぷらは私の大好物です。私も一品「雷こんにゃく」を作りました。どれも焼酎にあいます。

 しばらく酒を抑え気味にしていたこともあり、今日は一日中、己に酒を許した日でありました。

『モモンガの件はおまかせを』(似鳥鷄・著/文春文庫)

『モモンガの件はおまかせを』(似鳥鷄・著/文春文庫)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

フクロモモンガが逃げたと思しき古いアパートの部屋には、ミイラ化した死体が。いったい誰が何の目的で死体のある部屋でモモンガの世話を?謎の大型生物が山の集落に出現。「怪物」を閉じ込めたという廃屋はもぬけのからだった。キリン飼育員・僕(桃本)にツンデレ獣医・鴇先生、アイドル飼育員・七森さん、そしてカルト的人気の変態・服部君、オールキャストで大活躍!文庫オリジナル、“楓ヶ丘動物園"ミステリー第4弾!

内容(「BOOK」データベースより)
お馴染みの楓ヶ丘動物園の飼育員たち――大型哺乳類担当の僕(桃本)、げっ歯類担当の七森さん、ツンデレ獣医の鴇先生、そしてカルト的人気、爬虫類担当の変態・服部くん――が、動物たちにまつわる謎を解き明かす、人気ミステリーシリーズ最新刊!

・楓ヶ丘動物園飼育員たちが休日にバーベキュー、僕と服部くんは買出しに出かける。犬の散歩をしている男に道を訪ねたのだが、連れていた柴犬の様子に僕は不審を抱く。
(「いつもと違うお散歩コース」)

・七森さんに憧れるボランティア少年長谷井翼君の友人・今成君の家猫スコティッシュフォールドのトビーが男に連れ去られたという。トビーは夜帰ってきたのだが、オートロックで密室の家に、男はどうやって侵入し、トビーを連れ出したのか?(「密室のニャー」)

・楓ヶ丘動物園飼育員メンバーの面々が、警察署から連れ立っての帰り道、僕の頭部にフクロモモンガが飛来してきた。どうも古いアパートの二階から逃げたらしいのだが、部屋の様子がおかしい。ドアを開けたところ、そこには部分的にミイラ化した死体が……。ケージもあり、ここで飼われていたことは間違いないのだが、いったい誰が何の目的で死体のある部屋でモモンガ(モモモ氏)の世話をしていたのか?(「証人ただいま滑空中」)

.体長は最低でも1メートル、体重も最低50キロという謎の大型生物が山の集落に出現。その「怪物」を閉じ込めたと聞いて向かった廃屋はもぬけのからだった。「怪物」はどうやって抜け出したのか?考え込んでいた鴇先生の顔が蒼ざめる……。(「愛玩怪物」)

モモンガの件はおまかせを (文春文庫)

モモンガの件はおまかせを (文春文庫)

 

 ペットを巡る人間の身勝手ゆえの問題。これは結構深刻な問題である。その問題を真正面から取り組みながら、軽妙な語り口、登場人物の掛け合いがユーモラスで重くならず、ミステリ小説として存分に楽しませてくれる。お見事としか言いようがない。

 相変わらず鴇先生は魅力的で今巻でも大活躍だが、今巻で特に爬虫類担当の服部君とその愛犬・ディオゲネスの活躍が目立った。変態服部君の無駄な知識も笑える。