佐々陽太朗の日記

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「闇の守り人」(上橋菜穂子著・新潮文庫)を読了

 「精霊の守り人」につづく守り人シリーズ第二弾「闇の守り人」を読んだ。前作を読んだのが8月の中旬のことであったから、第二作を読むまでにずいぶん日が経ってしまった。
 読みたいと思って買い置いている未読本の山があるからついつい後回しになっていたのだが、いざ読み始めれば一気呵成に読み終えた。物語にぐんぐん引き込まれ、そこで繰り広げられる大活劇に魅了された。たかが子供向けファンタジーという無かれ、子供よりも大人が楽しめる良質のエンターテイメント作品である。
 今回の物語は短槍使いの女用心棒バルサが自らの過去を清算しようと思い立ち、故郷カンバルに帰る。しかし、25年ぶりに故郷に帰ってみると、今は亡き養父ジグロは王即位の儀式に使う国宝の金の輪を盗んだ謀反人の汚名を着せられていた。自分を守るために、己の人生のすべてを捨て、裏切り者の汚名を着せられた養父ジグロ。果たしてバルサは、育ての親であり恩人であるジグロの汚名を濯ぐことができるか。黒い闇に包まれた故郷カンバルを救うためバルサが立ち上がる。
 テーマは「人は自分のためでなく、人のために生きるときに本当に強くなれる」だ。

闇の守り人 (新潮文庫)

闇の守り人 (新潮文庫)

  • 作者:上橋 菜穂子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2007/06/28
  • メディア: 文庫