佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『酔いどれ小藤次留書 寄残花恋(のこりはなよするこい) / 佐伯泰英(著)』(幻冬舎文庫)を読む

恋ひ死なむ後の煙にそれと知れ 終(つい)にもらさぬ中の思ひは

 
 

忠義を尽くす主(あるじ)はただ一人

思いを寄せる女性(ひと)もただ一人

佐伯泰英氏の酔いどれ小藤次シリーズ第3弾『酔いどれ小藤次留書 寄残花恋(のこりはなよするこい)』を読みました。

 

裏表紙の紹介文を引きます。


御鑓拝借騒動で威信を傷つけられた小城藩の刺客・能見一族を討ち果たした赤目小籐次は甲斐国への道中、幕府の女密偵おしんと出会う。小籐次は、おしんから甲府勤番・長倉実高が密かに金山を採掘しているという話を聞き探索に同道するが、そこには驚くべき真相が横たわっていた。孤高の浪人の壮絶な闘いを描く人気時代小説、シリーズ第三弾。


 

本書では御鑓拝借騒動から小城藩とその本家にあたる佐賀藩から逆恨みされて刺客を放たれる身となった小藤次の孤高の戦いが見所。小藤次の来島水軍流の秘剣が存分に冴え渡る。しかも葉隠れをむねとする両藩士以上に小藤次は葉隠れ精神を持っている。

 

葉隠れに散りとどまれる花のみぞ忍びし人に逢ふ心地する 

「寄残花恋」赤目小藤次、思いを寄する女性(ひと)はおりょう様ただ一人。