佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

地下鉄に乗って

地下鉄(メトロ)に乗って』をDVDで観ました。2006年公開。篠原哲雄監督、堤真一岡本綾主演の映画です。浅田次郎氏の原作は講談社文庫でずいぶん前に読みましたが、映画となればまた味わいが違います。

 

浅田次郎氏はやはり稀代のストーリーテラーですね。泣かせるつぼを心得ています。「子の幸せの前に自分の幸せを望む親はいない」というのが、この物語のテーマだ。それ故、この悲しい結末がある。この結末については多くの非難があるだろう。たとえば男のエゴ丸出しの結末ではないかという非難である。あるいはそうかも知れない。しかし、この小説において浅田氏は子供を主人公にしながらも、その子供を昔にタイムスリップさせることにより、大人になった視点で自分の親を観させている。つまり、親の視点に立って、この物語のあるべき結末を考えたのであろう。従って、私はこの物語の結末に対する非難はあたらないと思う。

 

ああ、また夜更かししてしまった。この世にTSUTAYAがある限り、睡眠不足はますます慢性化します。