佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

9月の読書メーター

9月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2583ページ

いっぽん桜 (新潮文庫)いっぽん桜 (新潮文庫)
秀逸なのは「萩ゆれて」。題名には「萩」、主人公の名は「兵庫」、物語の舞台となるのは「土佐」という作品。 (^o^) 廻りの反対を押して武士の暮らしを捨て、見初めた漁師の娘と添い遂げる若者の姿を著したハートウォーミングな話です。私はこうしたハッピーエンドが大好きです。
読了日:09月28日 著者:山本 一力
流れる星は生きている (中公文庫BIBLIO20世紀)流れる星は生きている (中公文庫BIBLIO20世紀)
この本を読んで感じたことは「正直」であることと「正しい」ことは違うということ。「正しいこと」と「良いこと」とも違うということ。極限状態にあって生きていくとき、「正直であることはとりもなおさず正しいこと」などというおめでたい考え(考えなどというのも恥ずかしいほどのものだが)を短絡的に信奉していたのでは生き延びることは困難である。まして「正直であることは良いこと」などというに至っては話にならない。一体に「正義」などというものは、状況によって、立場によってころころ変わるものであって、単に物事の見方に過ぎない。
読了日:09月26日 著者:藤原 てい
真夜中の喝采―きんぴか〈3〉 (光文社文庫)真夜中の喝采―きんぴか〈3〉 (光文社文庫)
浅田氏は損得勘定や要領といったものをそぎ落とした人間を登場させる。生きていく上で誰もが大切にするそのようなものを否定した人物として、否、そうした小賢しさを超越した価値観を持つ人物として三人の主役を登場させる。読者はその滑稽さを笑いつつ、自分が正しいと信じている生き方が本当に正しいのだろうかとふと考えさせられる。そして、本当に大切なものを持っていない自分、失ってしまった自分に気づき落ち着かなくなる。笑いながら泣いてしまう切ない本だ。
読了日:09月20日 著者:浅田 次郎
血まみれのマリア―きんぴか〈2〉 (光文社文庫)血まみれのマリア―きんぴか〈2〉 (光文社文庫)
イイ!これはイイ!!!小賢しいヤツらばかりがいる現代に対するアンチテーゼ。かっこ悪くても、馬鹿なヤツと笑われても、損と分かっていても、そうしなければならないことがある。得だの損だの、愛だの恋だのそんなものは小せえ、小せえ。場合によっちゃ命だって惜しくはない。何よりも大切なのは「矜持」なのだから。
読了日:09月17日 著者:浅田 次郎
三人の悪党―きんぴか〈1〉 (光文社文庫)三人の悪党―きんぴか〈1〉 (光文社文庫)
主人公となる3人、坂口健太、大河原勲、広橋秀彦は現代においてはいささか時代遅れの個性を持つ。昔ならこうした個性は褒められこそすれ、決して笑われるようなことではない。しかし忠節を誓ったり、正直に生きたり、義理を重んじたりすることが彼らをヒーローにするどころか、かえってピエロに見せてしまう。浅田氏はそうしたアイロニーに満ちた状況をユーモアを持って滑稽に描くことによって、現代の歪な価値観が生む悲哀をあぶり出す。
読了日:09月09日 著者:浅田 次郎
だいこん (光文社文庫)だいこん (光文社文庫)
出世話に多いご都合主義の誹りを免れないでしょう。しかし、それがどうした。読者は貧しいながらも矜持を持ち、健気に働く女性主人公と周りの人情にホロリとさせられ、主人公が幸せを手に入れることに心から拍手を贈るだろう。それで良いではないか。
読了日:09月06日 著者:山本 一力
孫六兼元―酔いどれ小籐次留書 (幻冬舎文庫)孫六兼元―酔いどれ小籐次留書 (幻冬舎文庫)
今回も小藤次の来島水軍流の秘剣が冴え渡る。しかし、シリーズも第五弾となって、やや中だるみか。小藤次が名刀「孫六兼元」を手に入れる。これまで幾多の修羅場をくぐり抜けてきた小藤次の刀「次直」はどうするのだろう?
読了日:09月06日 著者:佐伯 泰英

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