7月31日
力道山がやって来た
『力道山がやって来た』(はるき悦巳/著・小学館)を読みました。
出版社の内容紹介文を引用します。
はるき悦巳、唯一無二の全1冊短編全集
一大ブームを巻き起こした『じゃりん子 チエ』(双葉社文庫 全47巻)で小学館漫画賞を受賞した、はるき悦巳。氏の幻の傑作として評価の高いまま単行本化されることのなかった多くの珠玉作を中心にすえ、さらに、未発表の習作2編も加えた、はるきワールド全開とも言うべき全13作一挙収録の全1巻短編全集です。
大人に負けぬ世間知を持った子供たち。リタイア知らずのパワフル老人たち。さらに、プライドを持って人間と互角にわたりあう動物たち。元気なキャラクターが縦横無尽に躍動し、笑いのうちに切ない感動の世界へと誘います。作品は発表順に収録し、著者の作家として成長の過程をたどるとともに、ラストに収録した習作によって、はるき悦巳氏がデビュー以前から持ち続けていた、揺るがぬ世界観が再確認できるような構成になっています。
巻末には、著者が全作品への思いを新たに書き下ろした、コメンタリー付きです。
はるき悦巳という類い希な才能の原石を見るような13点の作品。おかしさの中に、懐かしさと切なさをもつテイストは、名著『じゃりん子 チエ』と共通している。最近、つまらん世の中になってきたなとお嘆きの貴兄にお薦めの一冊です。