佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

瀕死の双六問屋

それでは、失礼する。クルマをやたら洗うな。たま~に洗ってやる方がいい。洗うってことは傷つけてることでもあるんだぜ。君の大好きなTシャツのことを想い出してみろよ。きれいに洗うたびにヨレヨレになっていっちまった、あのTシャツだ。外見をきれいにして何になる。中身をみがく方が大切なことなんだ。それは世界の平和の第一歩なんだよ。

                                   (本書P90より)

 

 

『瀕死の双六問屋』(忌野清志郎・著/小学館文庫)を読みました。鳥取定有堂書店に行ったときにふと目について買い求めた本です。

 

まずは裏表紙の紹介文を引きます。


日本の「キング・オブ・ロック」清志郎の衝撃の問題作がついに文庫化された。理想郷らしき「双六問屋」に住む男が縦横無尽に音楽への愛、社会への怒りを語り尽くす。憲法君が代、自殺問題からレコード発禁事件まで、エピソードは多岐にわたり、七年前に発売された本とはとても思えないその文章は最高にクールでホット!それは、まるで、彼のロックを聴くようだ。また、各話の後ろに付いているオーティスやジミヘン、清志郎自身の作品について語り下ろしたレコード評も読みどころのひとつである。

 


 

「瀕死の双六問屋」とは清志郎さんの言葉あそび。つまり、すごいロックをやっている人間が瀕死の状態なのです。つまらないモノは、それこそバカみたいに売れちゃうのにねぇ。つんくとか、こむろとか、あきもととかがどうでもいいヤツをプロデュースしてスターに祭り上げる。世間にはそんなのに躍らされているヤツが掃いて捨てるほどいる。総選挙とかいって、つまらんCDを何枚も買って・・・あーばかばかしいね。無視すりゃいいんだけど、あらゆるところに出てくるんだよ(コムロ系は最近出なくなったけど)。でも、わかっているヤツもたくさんいるよね。ブルースを大切にしているヤツはたくさんいるよね。サイコーにカッコイイヤツはたくさんいるよね。あぁ、清志郎のスイート・ソウル・ミュージックが聴きたい。レコードじゃなく、直に聴きたい。オーティスも・・・

 

(2012/5/27 読了)

 

 

Otis Redding - I've been loving you...