2020/12/26
『dancyu (ダンチュウ) 2020年11月号「真っ当な酒場」』(プレジデント社)を読みました。
巻頭の辻仁成のエッセイ「飲めるオリーブオイル」にオリーブオイルに対する認識を新たにした。
14Pから「日本一行くべき居酒屋は、益田にありました。」というタイトルで太田和彦氏が文を寄せている。dancyuの考える「真っ当な酒場」のいの一番は島根県益田の『田吾作』だということだろう。太田氏はこの文を次のように締めくくっている。
益田は一泊覚悟の遠いところだ。しかしそこには、日本中のどこにもないやり方で悠々と仕事を続ける居酒屋がある。まさに日本一、訪ねる価値のある居酒屋と言おう。
実は私は『田吾作』へ先月17日に行った。このdancyuを図書館から借りたのも、その際に板前のお兄さんから「少し前に太田さんが来て、そこの席に座ったよ。dancyuの取材だったかな」と聞いたからだ。そこの席とは階段を降りたすぐ左の4席ほどの小カウンターのことで、太田さんの定席である。私はまさにそこに陣取っていたのだった。
20Pからは「そろそろ真っ当な酒場に帰ろう。」と題してdancyuが選ぶ真っ当な酒場十軒を紹介している。店の雰囲気、料理の味わい、酒の品揃え・・・いろいろな要素すべてで”真っ当”であることが「いい酒場」であるとdancyuは考えたという。
- 守っている。守られている ~「シンスケ」湯島
- 心地よい生真面目さ ~「たく庵」四谷三丁目
- 淡々と、だけど十分 ~「笹新」人形町
- ひとり呑みに優しい ~「オステリア ルーチェ」北千住
- これから、熟していく ~「おさけと小料理 non」新高円寺
- 気持ちのいい間合い ~「ビノニコ」浅草橋
- これ以上の正義はない ~「ハーバーイン」 銀座
- 気づけばいつも長っ尻 ~「利庵」白金台
- 能書きを語らない ~「ぐいのみ大」大塚
- 誰もがいい顔になる ~「KIYOMI」大井町
湯島「シンスケ」には平松洋子さんが文を寄せていらっしゃる。平松さんのエッセイを私は大好きで愛読している。シンスケには3度ほど行った。東京にあるのでそう何度も行けないが私のお気に入り居酒屋でもある。3度ともたくさんの客でにぎわっていたが、本誌の写真ではカウンター奥のご主人を真ん中に、カウンター席左に平松さんらしき人、2席空けてもう一人の客とソーシャルディスタンスな配置。今年を象徴している。美しいカウンターが映えるが、早く元の姿にもどってほしいと切に願う。
十軒のうち私のGoogleマップに☆印がついていたのは「シンスケ」ともう一店。新高円寺「おさけと小料理 non」である。「おさけと小料理 non」は太田和彦氏の番組に登場したときにチェックしたのだと記憶している。
十軒の中で私の心を一等とらえたのは四谷三丁目「たく庵」と人形町「笹新」でした。まさに真っ当そのものの居酒屋という印象だ。
42Pから十軒の「真っ当な酒場」の「真っ当な酒肴」レシピが公開されている。中でも「シンスケ」の「炒り豆腐」、「笹新」の「ねぎま」、「ハーバーイン」の「半熟玉子の味噌漬け」、「KIYOMI」の「レバーペースト」はうまそうだ。いずれ作ってみなくてはなるまいとレシピを記録した。
他にも垂涎の記事がいっぱい。記事に本の紹介も多い。本と酒は相性が良いのでさもありなん。amazonで2冊購入。図書館に1冊予約を入れた。私のGoogleマップはさらに☆印だらけになり、本棚の積読本はますます増えていく。これは・・・長生きしなければならぬな。フフフ・・・