佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

富山市桜町『囲炉裏 醸家』で鰤しゃぶを肴に地酒をやる

2022/12/19

 寒ブリを食べに富山に来た。泊まったのは富山駅近くの『ホテルJALシティー富山』。格式張らないホテルだが、さすがはJALを冠するだけあって、清潔でゆったりしたバスルーム、寝心地の良いベッドと枕など、キチンとした良いホテルであった。素泊まりだとはいえ全国旅行支援を使えば実質数百円の負担で泊まれる。今月末が利用期限の旅行サイトのポイントを足して、支払ったのはわずか60円+駐車料1,500円。ありがたいことだ。

 駅周辺にはよさげな居酒屋がたくさん目についたが、今夜目指したのは県庁前公園の北にある『囲炉裏 醸家』だ。この居酒屋はかの太田和彦氏が著書『太田和彦のふらり旅 新・居酒屋百選 名酒放浪編』(光文社新書)に酒の品揃えと富山ならではの肴を絶賛した店である。

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 つれ合いと二人、訪いを入れるとカウンターの一番奥の席に案内された。目の前で料理人が手を動かしているところが見え、その背中の壁に酒の銘柄を記した短冊が貼ってある。富山の地酒はもちろんのこと、他県の名酒がずらりと並んでいる。私など、これを見ただけで心が躍る。

 最初の酒は数年前に富山に来たときに飲んでその味に惚れた「曙」のひやおろしを注文した。もう少ししか残っていないので新酒のほうで良いかという。それで良いと答えると、ひやおろしは升のないグラスに注いでくれ、瓶にもう少し残っている分もサービスするから飲みきってくれという。ありがたく頂戴した。

(「曙 特別純米 ひやおろし」やわらかい口あたりにやさしい酸味。まろやかな酒。)

(「曙 利右衛門」微発泡のしぼりたて生原酒。フレッシュでスッキリした味わい。グラスも升もギリギリの表面張力。酒もうまいが注ぎ方もうまい。)

(「刺身」。あとにブリがひかえているので、少なめ。さすがは富山、魚の味は天下一品。)

(「鰤しゃぶ」 脂ののった寒ブリを分厚く切ってある。これに合わせたのは「三笑楽 純米」。五百万石で醸したふくよかな味。麹が香しく、うまみも強い。程よい酸が後口をスッキリさせてくれる。こいつが今まさに旬のブリによく合う。)

(「ポテサラ」 こりこりした歯ごたえはいぶりがっこか?)

(「茶碗蒸し」 まったりした味は白子入りか?)

(「すりみあげ」)

(「なべあと」はうどんにした。富山と言えば「氷見うどん」。独特の強いコシと粘りがある細うどん。つるんとした喉ごしがうれしい。)

(「林 純米吟醸」 やさしい味わい。しみじみうまい。この酒が飲めるとは。富山に足を運んだ甲斐があった。)

(醸家名物「袋」を食べていなかったことを思い出し「高菜袋」を追加注文した。しっかりした味なのでビールにも合うだろう。「なべあと」の前に頼むべきだったな。)

 

 寒ブリをしゃぶしゃぶでたっぷり食べ、富山の名酒を存分に飲んだ。大満足であった。太田和彦氏が『「水よし、酒よし、魚よし」、そして「人よし」。富山万歳』と言っただけある。

 気分が良く、雪で足下も悪いので帰りはタクシーを呼んだ。良い日であった。