佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『北川一成(世界のグラフィックデザイン92)』(ギンザ・グラフィック・ギャラリー/発行)

『北川一成(世界のグラフィックデザイン92)』(ギンザ・グラフィック・ギャラリー/発行)を読みました。

 

北川一成 (世界のグラフィックデザイン)

北川一成 (世界のグラフィックデザイン)

 

 

 兵庫県の播磨地方に住み、アルコール中毒の私にとって本の表紙にある「富久錦」のロゴは日頃から親しんでいるものだ。しかし、これが北川一成氏のデザインであることは最近知った。また活字中毒でもある私にとって北川氏のデザインにある「文字」は非常に興味深い。手書きによる文字に味わいと深さと(書いた人の気分や気質が忍ばれるという意味での)情報量の多さがあるように、北川氏の造る文字には手書きと同様の味がある。非常におもしろい。

 

『すらすら図解 MBOのしくみ』(あると綜合事務所・編/中央経済社)

『すらすら図解 MBOのしくみ』(あると綜合事務所・編/中央経済社)を読み終えました。

 

すらすら図解 MBOのしくみ

すらすら図解 MBOのしくみ

 

 

 最近、株式を上場する動きが盛んである一方、会社の非上場化による経営の自由度を高める動きも目を引く。つい二日前に次のような記事も報道されたところ。MBOについては以前に少し勉強したこともあるが、おさらいの意味で本書を読んでみた。

宝飾品販売のTASAKIは24日、経営陣による自社株買収(MBO)を実施すると発表した。投資ファンドを通じて株式公開買い付け(TOB)を開始し、同社は上場廃止になる見通しだ。海外市場で積極的な投資を行い、一時的に業績や財務の悪化が見込まれるため、非上場化で経営の自由度を高める狙いだ。MBOで上場廃止に踏み切り、経営が短期的な業績で左右されないようにする企業が増えている。 

 MBOによる買収スキームと必要な手続き、メリットとデメリットなど基本的なことが分かりやすく整理されている。勉強になりました。  

『A HUNTER 狩人 【新装版】』(森山大道・写真/講談社)

 『A HUNTER 狩人 【新装版】』(森山大道・写真/講談社)を読みました。というより、写真集なので観ましたと言うべきか。いや「観る」より「覧る」を使う方が正しいのかな。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

望遠レンズの照準を定めて、目に飛び込んでくるさまざまをショットするとき、あたかも、ぼくは、獲物を求める一人の猟人と化してしまう。

 

A HUNTER 狩人 【新装版】

A HUNTER 狩人 【新装版】

 

 森山大道氏の伝説的作品集の復刻版。ペーパーバックのような造りになっており、写真集としては開きが悪く見にくい。紙質にも問題がないこともない。しかし「ブレ・ボケ・アレ」と称される森山氏の写真であれば、これもアリだろう。本当は北川一成氏の手になる1997年発刊の本が欲しいのだが手に入らない。手に入るとしても状態の良いものであれば数十万円はするかもしれない。まあ、いつか古本に巡り会うことがあるかも知れないと夢見ておこう。

 

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『Graphic』(北川一成、葛西薫、佐藤可士和、服部一成、佐野研二郎、仲條正義、野田凪、植原亮輔、著/プロデューサー・安東孝一/六耀社)

『Graphic』(北川一成、葛西薫佐藤可士和服部一成佐野研二郎仲條正義野田凪、植原亮輔、著/六耀社)を読みました。

北川一成、葛西薫佐藤可士和服部一成らアートディレクターのオリジナルグラフィック作品を紹介する。後半には「グラフィックとは何か」について聞いたインタビューも収録する。デザイナー必見。 

 

 

GRAPHIC

GRAPHIC

 

 

 二次元の世界で何が表現できるか。視覚言語であるグラフィックが何故、力を持ちうるのか。巻末にアートディレクターそれぞれのインタビューでそれが解き明かされる。北川氏はデザインする時、まず直感から入り、様々なパターンをものすごい量作って検証していくという。結局、直感による最初のパターンが一番良かったということになるとしても、無駄ともいえるこの作業をキチンとやるところがプロということなのだと感じ入った。「文字は文化を知ってこそ自由にできる」という言葉に考えさせられた。デザインは直感だけの遊びなどではなく、そこにはキチンとしたワケがあるということか。