佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

「ひゃくてんまんてん」のカレーラーメン

2019/08/25

 京都文化博物館で「百花繚乱 ニッポン×ビジュツ展」を鑑賞した後の昼メシ。Googleマップを見ると、すぐ近くに☆印をつけている店がある。私は普段から本や雑誌、TVなどで紹介される店の中で自分なりに気になるところに☆印をつけている。この「ひゃくてんまんてん」は確か柏井壽先生の『京都しあわせ食堂』に紹介されていた店である。 

京都しあわせ食堂 (京都しあわせ倶楽部)

京都しあわせ食堂 (京都しあわせ倶楽部)

 

 店に入ると先客は皆、地元の人のようです。京都の食べ物屋さんに入ってイヤなのは観光客がどっと居ること。私も観光客のくせに勝手なことを言うようですが、こうした地元の人が常連客として通っている店が良い。

 かわいらしいおばあちゃんに「カレーラーメンと生ビール」を注文する。このあたりの間合いはおばあちゃんが「いらっしゃい」と言って水を入れたコップを目の前に置いてくれたらすかさずである。いたずらにメニューを見てああでもないこうでもないと迷うのは野暮である。矯めつ眇めつ眺めるべきは美術作品である。メニューは美術作品ではない。直感でこれっ!と決めたら即注文。こうでなければいけない。 

 素早く注文すれば生ビールも素早く出てくるというもの。そういうものなのだ。

 カレーラーメン、普通においしゅうございました。

京都劇場 劇団四季『ノートルダムの鐘』

2019/08/25

 京都劇場で人気を博している劇団四季ノートルダムの鐘』を観ました。劇団四季の公演を観るのはかれこれ10年ぶりのこと。大阪で『ウィキッド』が上演されたとき以来である。私はミュージカルより映画が好き。しかも音楽の傾向はロックときている。ミュージカルにはあまり縁が無い。しかしこのたびはチケットを世話して下さる方があり、人気も高いということで出かけました。

 物語の舞台がノートルダム大聖堂だけに音楽は重厚感のあるものが多い。オールキャストによるコーラスは圧倒的。俺はロックが好きやねんけどな~~と思いながらもこの迫力には圧倒されました。

 どうしようもなくエスメラルダに恋をしてしまった三人の男の物語。会場は9割が女性であったが、果たして女性はこの物語をどう見ているのか。訊いてみたいところだが、訊かない方がよい気もする。

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百花繚乱 ニッポン×ビジュツ展 (京都文化博物館)

2019/08/25

 本日から京都文化博物館で開催された「百花繚乱 ニッポン×ビジュツ展」に行きました。

 若冲の象、応挙の仔犬、蘆雪の兎、其一の風神雷神・・・じっくり観てきました。珍しく写真撮影可でした。最近少しずつ写真可が増えてきましたね。

『風のかなたのひみつ島』(椎名誠・著/新潮文庫)

『風のかなたのひみつ島』(椎名誠・著/新潮文庫)を読みました。

 8月20日から壱岐島クルーズに出かけた際、バッグに詰めて携行した本。まずは出版社の紹介文を引きます。

猫だらけの網地島で海峡命名者のベーリングさんと握手、十数年ぶりの粟島では二代目女将と思い出にふける。池間島ではカツオ船に乗り、教科書で「ヤドカリ探検隊」を読んだ加唐島の子供たちと感激のご対面。ほどよいビーチを見つけては浮球野球に興じ、豪勢な海の幸をほおばる……申し訳ないほど気分がいい島旅に、さあ出掛けましょう。勿論、南方写真師〈タルケン〉さんが一緒です。

 

風のかなたのひみつ島 (新潮文庫)

風のかなたのひみつ島 (新潮文庫)

 

  

 

 島に行くときこれほど携行するにふさわしい本もあるまい。東ケト会のころに比べると歳を重ねた落ち着きを感じるものの、シーナさんの島に対する偏愛ぶりは健在である。答志島、網地島、粟島、池間島加唐島怒和島奄美大島加計呂麻島・・・未だ行ったことのない島ばかりである。いずれ自転車旅のコースに入れて訪れるとしよう。自転車と本とカメラ。それらを携えて島に渡り、島の魚と冷たく冷えたビールがあれば島は天国だ。

 

壱岐島クルーズ3日目

2019/08/22

 目覚めると5時過ぎであった。ベランダに出ると今日も天気が良い。瀬戸内に入って海は壱岐島周辺のような美しさはない。水の透明度が違うし海面にゴミが見える。しかしそれでも瀬戸内の海と島々の美しさは格別だ。焼酎の湯割りをやりながら本を読んだ。

 朝食はメインダイニング「瑞穂」で和朝食をとった。焼き鯖がうまかった。

 朝食後も部屋のベランダで焼酎を飲み本を読んだ。8:20ごろ来島海峡大橋をくぐった。橋を下から眺めるのは迫力がある。ふと気づいたのは空の雲が秋模様に変わっていること。今年の夏はこのクルーズで終わったのだと妙にしんみりする。

 10:30からドルフィンホールでうめじゅん(梅田淳)さんの「ここだけの話」が聴けるというので、そちらに行く。うめじゅんさんの野球にまつわる話は尽きることが無い。すごいのひと言。

 クルーズ最後の食事はオーシャンダイニング「春日」にてオムライスを食す。

 17:00姫路港下船。無事帰ってきました。今回のクルーズも晴れ男ぶりを発揮し、天気予報も含め大方の予想を覆し好天に恵まれました。旅行、サイクリングやクルーズには貢献する男です。

『きみの世界に、青が鳴る』(河野裕・著/新潮文庫nex)

2019/08/22

『きみの世界に、青が鳴る』(河野裕・著/新潮文庫nex)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

 『いなくなれ、群青』、シリーズ完結編!

2019年9月、実写映画化![主演:横浜流星、飯豊まりえ]

 

真辺由宇。その、まっすぐな瞳。まるで群青色の空に輝くピストルスターのような圧倒的な光。僕の信仰。この物語は、彼女に出会ったときから始まった。階段島での日々も。堀との思い出も。相原大地という少年を巡る出来事も。それが行き着く先は、僕と彼女の物語だ。だから今、選ばなければいけない。成長するとは、大人になるとは、何なのかを。心を穿つ青春ミステリ、堂々完結。

 

きみの世界に、青が鳴る (新潮文庫nex)

きみの世界に、青が鳴る (新潮文庫nex)

 

 

 

 大人になるとはどういうことなのだろう。人は大人になる過程で変化する。それはフィジカルの変化だけではない。無垢なままでいることはできない。とがったままでいることはできない。夢を夢のまま持ち続けることはできない。何かを選択するということは、それ以外のものを捨てるあるいは優先順位を劣後とすること。人生が選択の連続であるとすれば、人は生きていくうえで自分の一部を捨てていくことになる。自分が望むと望まざるとに関わらず、外部環境によって自分が変わらざるを得ないこともある。外部環境は自分で変えられないことが殆どだからだ。それはどうしようもないことのように思える。

 もし成長の過程で捨てた自分の一部を別の世界で生きつづけさせることができたら。この物語はそうしたことをモチーフとして書かれたのだろう。憐憫かもしれない。感傷的に過ぎるかもしれない。しかし若さとはそういうものだろう。変わりたくない自分がいる。捨てたくない夢がある。最終的に選ばなかったものの、あのときそうしていればという選択がある。還暦近くなった私でも、そうした若さを思うとき涙を流しそうになる。それは些かの感傷であり自分の心の中の奥底に閉じ込めているやわらかく傷つきやすい部分だ。自分の中のそうした部分が小説や映画、画や音楽に触れたとき共鳴する。人生が味わい深いものになる。

 現実の七草が選んだ職業と結婚相手。それがどのようなものであろうと私はそれを否定しない。それはやはり肯定されるべきものだ。まよいながらも自分でそうありたいと想い選んだものと捨て去ったものの屍、そうした選択の連続と、選択によって累々と積み重なった屍、世界はそうしたもので成り立っている。そしてその世界はけっして悲劇的なものではなく、そこには希望もやさしさもある。群青色の空に輝くピストルスターの光、それは世界がいくら悲劇に満ちていようと気高く光り続けている。

  

さらば壱岐島(壱岐島クルーズ2日目)

2019/08/21

 壱岐島サイクリングを終え、港に着くと地元の方々がサザエの壺焼きを振る舞って下さった。穫れたて焼きたてのサザエのうまさといったらない。ありがたやありがたやと言いながら自転車を輪行袋に詰めてにっぽん丸に乗船。冷蔵庫で冷えたビールをがぶ飲みしながらエアコンの効いた部屋でくつろぐ幸せに暫し浸る。やはり酷暑の島の起伏のある道を走るのは過酷であった。しかしそれだけに美しい景色が強く印象に残った。

 17:00ごろ船は壱岐島郷ノ浦新港を出発。たくさんの人に見送っていただいた。地元高校生のブラスバンド演奏もあった。いずれまた必ず壱岐島を再訪することを堅く心に誓いながら「またくるよ~~」と手を振った。

 17:30、6階ラウンジ「海」で”SUGI-TARA"のライブを聴く。SUGIさんはかつてフォークデュオ「紙ふうせん」のギター、サイドボーカルであった「すぎたじゅんじ」さん。透きとおったギターの音色と歌声がすばらしかった。すぎたさんはかなりの釣キチらしくCDジャケット写真に自分で作ったギターの形のルアーを載せているほど。『あつまって』という曲が素晴らしかったので思わず買ってしまった。この曲を聴くたびクルーズのことを思い出すだろう。

 LIVEのあとはオーシャンダイニング「春日」で夕食。今日は和食「壱岐和膳」だ。地元産のヒラマサ、鰹、イサキの造りがめっぽううまい。壱岐牛のしゃぶしゃぶもうまい。うに飯もうまい。うまいうまいうまいで頭がおかしくなりそうだ。にっぽん丸名物のローストビーフをサービスで勧めてくれたが、お腹がいっぱいだと遠慮した。あの絶品ローストビーフをことわるなんて、確かに頭がおかしくなっている。酒は「陸奥八仙」(青森)と「田中六五」(福岡)、北と南の両雄だ。飲んでうまい、食べてうまい、また飲んでうまい、すばらしい食中酒である。

 満腹で部屋に戻ったあとは爆睡。微かな船の揺れに身を任せ、夜明けまでぐっすり眠った。

 

 

食前酒:和三盆糖梅酒

前菜:剣先イカの『がね味噌』和え、もろきゅう、壱岐の海苔の佃煮、とこぶし、稚鮎唐揚げ、じゅんさい、枝豆

お澄し:福岡県産焼真鯛壱岐産ひじき麺のお澄まし(豆蕪 柚子)

   

お造り:壱岐産ヒラマサと鰹、長崎県産イサキの盛り合わせ(大根妻 大葉 花穂紫蘇 小菊 パセリ 人参 本山葵)

焼き物:沖縄県産ナゴさくら豚で巻いた壱岐産グリーンアスパラガス(カボス 酢取り茗荷 青葉)

炊合せ:天草産車海老と野菜の炊き合わせ(茄子 蓮根 蕪 絹さや)

向付:アボカドとフルーツトマトの山かけ

蒸し物:鹿児島県産鰻の茶碗蒸し(胡麻豆腐 山椒)

鍋物壱岐牛のしゃぶしゃぶ 壱州豆腐と(昆布 白葱 エノキ 水菜 椎茸 人参 小口葱 酢橘 紅葉卸し ぽん酢 胡麻だれ)

小鉢:壱岐風 南瓜のおよごし(茄子 こんにゃく イカ

お食事:壱岐風うに飯
香の物:赤蕪漬け 胡瓜漬け 奈良漬け
止め椀:壱岐産青さ海苔の赤出汁(豆腐 三つ葉

甘味:鹿児島県産安納芋の茶巾 天草晩柑ピールを添えて キウイフルーツ ゴールデンパイナップル 無花果