佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

「地才地創シンポジウム IN 西播磨」で内橋克人氏の講演を聴く

 神戸新聞創刊110周年記念事業として開催された「地才地創シンポジウム IN 西播磨」で内橋克人氏の講演を聴く機会を得た。
 氏の話の要約は以下のとおり。
 「才」とは「人の英知」であり、知恵を働かせて地域社会を創っていく、そのようにして地域を変えていくことによって日本を変えることができる。
 「地才地創」を実のあるものにするためには何が必要か? おそらく次の5つだろう。
 1.制度(しくみ)づくり
 2.市民資本の形成
 3.技術の社会化
 4.産業連鎖の実現
 5.Foods Energy Care の自給圏(権)を創ること
 北欧を模範的な事例としてとらえることができる。オイルショック時にエネルギー自給率2%だったデンマークは、その後どのようにエネルギー政策を展開して自給率139%まで向上させることができたのか。資源の持たないデンマークでどうして水準の高い、教育、医療、福祉社会を実現出来たのか? そこには、人が生きるために必要な基本的なことを一部の者の勝手にさせず、国民すべてが共生の共通認識を持つ。食料とエネルギーの国内自給に努力し、「弱い者を助ける」という社会の実現がある。(市民資本の形成、Foods Energy Care の自給) 世界一のIT先進国も北欧のフィンランドである。人口がたった500万人しかいない国にもかかわらず日本よりはるかに進んでいる。住んでいるところや所得、その他の状況にかかわらず「すべての国民が等しくITの恩恵を享受する」というのが共通認識になっていればこそのことである。
 社会をよりよい方向に変革していくには『元気』と『勇気』が必要。最後にドイツのケストナー氏による次の言葉を引用します。「かしこさのともなわない勇気はらんぼうであり、勇気のともなわないかしこさなどは、くそにもなりません! 世界の歴史には、おろかな連中が勇気をもち、かしこい人たちがおくびょうだったような時代がいくらもあります」