特に印象に残った話を書きます。
200年以上続いて今も永続している企業の数は
日本 3,113
ドイツ 1,563
フランス 331
イギリス 315
イタリア 163
ロシア 149
アメリカ 88
スペイン 68
中国 64
と、日本がダントツです。
埼玉県の「矢尾百貨店」は創業260年。
秩父暴動で襲撃されることなく生き残ったのは近江商人の理念「三方よし」を実践した義商であったから。
川中島の合戦で上杉謙信が武田信玄に「塩を贈った」時(1568年)信玄公の命を受け、越後より塩を持ち帰ったのが、創業者・初代塩屋孫左衛門。
「最古にして最新たれ」
時代に合わせて塩・油・ガソリンなど暮らしに欠かせない商品に絞って商売をしている。
「道徳のない経済は犯罪に近い。経済のない道徳は寝言」とは二宮尊徳の言葉。
広重の浮世絵「東海道五十三次」の鞠子の宿に描かれているとろろ汁の店は現在もある。
店の名は「丁字屋」。十返舎一九の「東海道中膝栗毛」や芭蕉の句にも登場する老舗である。
一時は太平洋戦争の混乱で寂れかかったが、その危機を救ったのは12代目。
この人は婿養子であった。
老舗の企業には男系の血にこだわらず、優秀な婿養子を当主とすることで生き残ってきたところが少なくない。
1783年に創業の紙卸商「中庄」(東京)の家訓は「当家の男子出生致すとも別家または養子に遣わすべし。・・・男子相続は後代まで永く永く決して相成らず、当家相続は養子に限り、堅く定め置くもの也」
清酒「白鹿」で知られる「辰馬本家酒造」を急成長させたの13代目も養子であった。
こうした「200年企業」を見てみると、アメリカのMBAがもったいぶって言うようなことは、実は日本でとっくに行われていたのであって、 ありがたがることではない。現に日本には永続企業がたくさんある。