佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

Story Seller 3

『Story Seller 3』を読みました。

 

 

 今回は2のように順位付けはせず、掲載順にコメントをつけていきます。何故なら大好きな有川浩氏をさだまさし氏の後におくことにためらいがあるから。


1.「男派と女派 ポーカー・フェース」(沢木耕太郎

 「これまでの人生で大切なことは男から教わったか、女から教わったか」について。私も沢木氏と同じく女派かな。

 

2.「ゴールよりももっと遠く」(近藤史恵
 第1巻、第2巻につづき名著「サクリファイス」に繋がる赤城と石尾の物語。石尾が住むにはプロの世界は濁りすぎているのか。己をその濁りの中に置くことなく、何も語らず、反抗してみせる石尾がひたすらカッコイイ。

 

3.「楽園」(湊かなえ
 好みに非ず。すみません。

 

4.「作家的一週間」(有川浩
 前2作に比べて格段によい。今回はやっとゴミ屋敷を離れて泌尿器に話が変わった。「××」(はばかりがあり伏せ字とさせていただきます。読みは「いんしん」です)という言葉は確かにATOKでは変換しない。試しに日本語入力FEPをIMEに変えてみたら、これしかないというほどの確信を持って正確な変換をする。「小××」「大××」もためらいなく正確に変換するではないか。あのバカIME(マイクロソフトさんスミマセン)がこれほどにも賢いATOKを凌駕するとは、まさに驚天動地とも云うべき事態である。IMEのバカさ加減といったら、「気が利かずチョンボばかりする部下を持つ上司の気持ちを知りたければ、IMEを使って10分ばかり文章をつづってみれば分かる」と云うほどのものだ。それがまさか……である。ATOKよどうした。ジャストシステムよ、いったいどうしたというのだ。これはもうジャストシステムが自主規制したとしか考えられないではないか。言葉は規制すべきではない。それは知性に対する冒涜である。言葉を道具として使う人間に対する冒涜と云っても良い。かえって「××」を規制するという行為こそが、心の奥底に潜む淫猥さを物語っているではないか。とここまでつづって、私のこの文章こそ淫猥であり、私の心こそみだらなのだと気付く私であった。そして、そのことはさっさと横に置いておいて、情報セキュリティーの確保を理由にPCにATOKをインストールさせない会社の頑なな態度にフツフツと怒りを滾らせつつ読了。
 ちなみに短篇の中にイカしたショートショートを差し込むというテクはなかなか良かったと思います。

 

5.「満願」(米澤穂信
 人生はままならない。過去、ほのかに抱いた恋心が切なく、真実を知ってしまった現在が苦い。本書の中で一番のお気に入りです。

 

6.「555のコッペン」(佐藤友哉
 セーラー服探偵萌え~~。って、変な趣味はないですよ。誤解なきよう。

 

7.「片恋」(さだまさし
 よほど、読まずに済まそうかと迷った。『関白宣言』なんて歌うヤツの話、読みたくはないのだ。ぜったい価値観が合わないのだ。と云いながら、かつて読んだ『眉山』はなかなかのものだったのでやはり読んだ。読み始めてしばらくはやはり読まなければ良かったと後悔し始めた。しかしこの話、尻上がりに良くなるではないか。素敵なラストが用意されていました。文章は若干の違和感があるものの、うーん、なかなかやるわい。(さださん、失礼の段、ご寛恕ください)