佐々陽太朗の日記

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被害者の顔 - KILLER'S CHOICE -

『被害者の顔 - KILLER'S CHOICE -』(エド・マクベイン・著、加島祥造・訳、ハヤカワ・ミステリ文庫)を読みました。

 

まずは出版社の紹介文を引きます。


 

夏が近づく頃、夕方の街はいっとき静まり返る__アニイが殺されたのもそんな夜だった。胸に銃弾を撃ちこまれ、血に塗れて死んでいたのだ。だが、捜査が洗いだしていったのは被害者の複雑な顔だった。貞淑な妻、優しい母、インテリ女性、情婦、酔いどれ。どの顔が殺人者を招いたのか? しかし、容疑者にはいずれも堅固なアリバイがあった。警察活動の実態と大都会の複雑な人間模様をセミ・ドキュメントな手法で描く秀作。


 

 

 


大好きな87分署シリーズの第5弾である。書かれたのが1958年というから私が生まれる一年前。古き時代の警察小説といった風情がなかなかよい。"KILLER'S CHOICE"(殺人者の選んだもの)という原題の意味が味わい深い。本書は早川書房から発売されている五六冊(後述)のうち五冊目。五六冊と言えば、現在の読書ペースでこのシリーズだけを読み続けても半年はかかる量。まだまだ先は長い。しかし楽しみな長さである。古本でぼちぼち買いそろえ、順番に読んでいくのは、私にとって極上の楽しみなのだ。

 

「87分署シリーズ」早川書房からの発売一覧

1.警官嫌い(1956年)2.通り魔(1956年)3.麻薬密売人(1956年)4.ハートの刺青(1957年)5.被害者の顔(1958年)6.殺しの報酬(1958年)7.レディ・キラー(1958年)8.殺意の楔(1959年)9.死が二人を(1959年)10.キングの身代金(1959年)11.大いなる手がかり(1960年)12.電話魔(1960年)13.死にざまを見ろ(1960年)14.クレアが死んでいる(1961年)15.空白の時(1962年)16.たとえば、愛(1962年)17.10プラス1(1963年)18.斧(1964年)19.灰色のためらい(1965年)20.人形とキャレラ(1965年)21.八千万の眼(1966年)22.警官(さつ)(1968年)23.ショットガン(1969年)24.はめ絵(1970年)25.夜と昼(1971年)26.サディーが死んだとき(1972年)27.死んだ耳の男(1973年)28.われらがボス(1973年)29.糧(1974年)30.血の絆(1975年)31.命果てるまで(1976年)32.死者の夢(1977年)33カリプソ(1979年)34.幽霊(1980年)35.熱波(1981年)36.凍った街(1983年)37.稲妻(1984年)38.八頭の黒馬(1985年)39.毒薬(1987年)40.魔術(1988年)41.ララバイ(1989年)42.晩課(1990年)43.寡婦(1991年)44.キス(1992年)45.悪戯(1993年)46.87分署に諸人こぞりて(1994年)日本では未単行本。47.ロマンス(1995年)48.ノクターン(1997年)49.ビッグ・バッド・シティ(1999年)50.ラスト・ダンス(2000年)51.マネー、マネー、マネー(2001年)52.でぶのオリーの原稿(2002年)53.歌姫(2004年)54.耳を傾けよ!(2004年)55.Merely Hate(2005年)56.最後の旋律(2005年)