佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『路地恋花』(麻生みこと:著/講談社アフタヌーンKC)

サキ : 元カレんとこ ヨリ戻しに行ったらなぁ

       横でキリンが草を食んどってん

 

キリン : もしゃもしゃ

 

サキの友達 : テキは水玉か・・・

           そら勝たれへんわ

            あんたヒョウ柄やしなあ 地肌が

 

サキ : さすがにキリンよう食べんしなぁ・・・

       なんでやねん

 

(第十話 「petit cadeau その2」 やむおち より)

 

 

 

路地恋花<全4巻>』(麻生みこと:著/講談社アフタヌーンKC)を読みました。

 

まずは出版社の紹介文を引きます。

(第1巻) 紙フェチの小春さんが営む手作り本工房「綴」。なぜか老人ばかりが顧客のその店に、ミュージシャンの十和田さんがやって来る。彼の「譜面と詞を本にしてほしい」というオーダーに応えるべく、奮闘する小春さん。だが、何度もやり取りを続けるうちに、彼のある「思い」に不用意に触れてしまって……。彼女の本に込める「思い」と、彼の封印したい「思い」が織りなす、淡い恋のものがたり。*ほか4編収録

 

路地恋花(1) (アフタヌーンコミックス)
 

 

 

(第2巻) 悪気のない女好き・オーダー花屋の一松。ある事件に巻き込まれた彼が出会ったのは「女に無駄に甘い男は大嫌い」というシビアな女検事・月森。人としてフェアであろうとする月森にひかれていく一松が、彼女のために贈る花とは――。1巻は発売と同時に即増刷! 職人たちが織り成す、あたたかく、切ない恋愛連作漫画。最新2巻は「花屋一松」ほか4編を収録! 

 

 

路地恋花(2) (アフタヌーンコミックス)
 

 

(第3巻) 路地で美容室を開業した慎吾。ある日、結婚式当日の幼なじみ・美姫が、ウェディングドレス姿で現れる。わがままで気まぐれな腐れ縁の幼なじみの注文とは……。1・2巻とも発売と同時に即増刷! 職人たちが織り成す、あたたかく、切ない恋愛連作漫画。最新3巻は「セビリア」ほか4編を収録!

 

路地恋花(3) (アフタヌーンコミックス)
 

 

(第4巻) 京都の、とある路地に集う職人たち。布小物、キャンドル作家、美容師……さまざまな職があるように、恋の形も千差万別。実る恋もあれば届かない想いもある――。「つくる人」たちが織り成す、ほっこりあたたかく、時に切ない恋愛連作集、堂々の完結巻。手作り本工房・小春、銀細工職人・光生、花屋一松、椿靴工房の続編を収録。

 

路地恋花(4) (アフタヌーンコミックス)
 

 

 

 

 

 

おそらく大人になる一歩手前で「やりたいこと」を持っていた人は多いだろう。でも大人になる過程で「それで食えるか?」という割り切り(あるいは言い訳)でそれをあきらめ、いわゆる定職に就いた者がほとんどではないか。そんな迷いも吹っ切って(あるいは迷いながらも)自分が信じる良いものを作ろうと「ふきこ路地」に身を置く職人や芸術家。そんな夢を追いかけるだからこそ彼らの恋は成就して欲しい。手作り本工房の小春ちゃんや万華鏡作家のキリンちゃんには何としても幸せになってもらわんといかんな。花屋一松は気の毒やったな。まぁええやんか、あんさんは実家が金持ちやし。

個人的には冒頭に引用した「やむおち」(ガラス職人・北尾恵)の元カノとその友達のやりとりがツボ。