佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

アフターダーク

アフターダーク(afterdark)』(村上春樹:著/講談社文庫)を読了。
 
まずは出版社の紹介文を引きます。

時計の針が深夜零時を指すほんの少し前、都会にあるファミレスで熱心に本を読んでいる女性がいた。フード付きパーカにブルージーンズという姿の彼女のもとに、ひとりの男性が近づいて声をかける。そして、同じ時刻、ある視線が、もう一人の若い女性をとらえる―。新しい小説世界に向かう、村上春樹の長編。

 
 
 
 わけがわかりませぬ。エリは何故ねむり続けているのか。「顔のない男」の正体はなにか。白川はこの小説に重要なのか、村上氏は白川をどういう意図で登場させたのか。深夜の街を見つめるカメラは何を象徴するのか。語り手とは誰なのか、読者ととらえて良いのか。村上氏は何を意図してわけのわからない表現をとったのか。読者に大いに想像させる余地を作ったのだろうか。ただ単に実験的な遊びだとしたらとんでもない駄作だと謂わなければならないだろう。うーん、わからない。わかっているのは「私にはこの小説を駄作だと言い切るだけの勇気が無い」こと。とは言え、作中の登場人物のいかした会話は健在。物語としてわけがわからなくても、それぞれのパートを読ませる力は流石だ。