佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

あらや滔々庵_”YUI PRIMA”で行く旅『加賀北陸から信州へ ”味を極めた三軒の宿”に泊まる』(一泊目)

YUI PRIMA”で行く旅『加賀北陸から信州へ ”味を極めた三軒の宿”に泊まる』の一泊目の宿は「あらや滔々庵」です。

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 「あらや滔々庵」は加賀市山代温泉の古総湯の前にあります。このお宿には北大路魯山人の初めての陶芸作品といわれる赤絵皿や、 烏湯縁起にまつわる暁烏の衝立、「あらや」と刻まれた篆刻の看板など、魯山人ゆかりの作品が残されています。

 魯山人は陶芸家としても有名ですが、彼を陶芸に向かわせたきっかけは山代の地での初代須田菁華との出会いだったそうです。大正初期、まだ無名だった魯山人が陶芸の手ほどきを受けたのが須田菁華窯。旅館に入る前にまずは須田菁華窯を訪れました。当代の菁華さんが我々をお出迎え下さいました。

「菁華」の篆刻。当時、魯山人はまだ三十代で無名の頃。「福田大観」を名乗っていたそうです。

 読売テレビのスタッフが我々の旅を取材に同行しています。

 旅の記念に黄色と青をつかった絵柄が印象的な丸皿を買い求めました。

 「須田菁華」さんを見学したあと、いよいよ「あらや滔々庵」に到着。

 玄関横には烏湯の源泉があります。飲むことが出来、動脈硬化症、糖尿病、高血圧症などに効くようです。

 玄関を入ると靴脱ぎの左手にいきなり魯山人の書「抱月懐風」。

   (月を抱き明らかに 風を懐に清らかに)

 靴を脱いで上がると暁烏の衝立。

 帳場の奥に「あらや」と刻まれた篆刻の濡額。

 ロビーにある魯山人の作品のかずかず。魯山人は「福」の字を好んで書いたようです。籠文字で書かれています。

 廊下には初代・須田菁華の作品。写真に初代・須田菁華と並んで絵を施す魯山人の姿がある。

「樂閒」“静けさを愉しむ”

 宿は温泉地の中心に位置しているが、部屋に入ると山居の風情。障子越しの窓に写る緑が目に鮮やかです。

 部屋に落ち着くと菓子と薄茶が供される。菓子は「つつじ」かな?

 部屋付きの露天風呂に入り、目に緑を楽しませる至福の時間。

 いよいよ夕食です。

【先附】 蛍烏賊 胡麻豆腐赤酢味噌掛け 海老 三度豆 大徳寺麩 生姜 花穂 

 器は初代・須田菁華

 ここで館主のご挨拶があり、サプライズが・・・

 なんと魯山人の器で寿司が供されたのです。

 この寿司桶として使われた器が魯山人作。

【椀】 油目葛打ち 冬瓜 蓴菜 梅肉 輪切柚子

 酒は「常きげん」

【造り】 橋立港におまかせ 辛味大根・能登天然塩とともに。

 白ガス海老、ばい貝、鰆など

【八寸】 加賀山海佳肴盛り

 

鯛の子 白子 うすい豆 琥珀寄せ

のど黒 塩やき 酢茗荷

金時蜜煮

蛸柔らか煮、半熟卵、鴨ロース煮、一寸豆

ナマズの器が楽しい。

 酒を「遊穂」に変えました。

鯛塩辛 烏賊焼き霜

アスパラ フルーツトマト 胡麻クリーム

【焼き物】 鮑 加賀太胡瓜肝ソース

【焚合せ】 丸茄子オランダ煮 煮穴子 万願寺唐辛子 針生姜

【酢の物】菜種 独活 筍 雲丹 太白胡麻油 レモン

 しまった。写真を撮り忘れてる。

【御食事】 白海老 針生姜 炊込み

      焼き茄子 浅葱 赤味噌仕立て

      キャベツ 長芋 昆布

 水菓子は有栖川山荘で用意しますということで、場所を移動。

【水菓子】 西瓜 グレープフルーツ 無花果 カシスゼリー いちごシャーベット

 

 その後も、カウンターに陣取り、館主、大女将と一緒に語らいながらシャンパンを心ゆくまで飲んだ幸せな一夜でした。

 

 一夜明けた朝、早起きして町を散策。 

 戻って、ひとっ風呂浴びたら朝食の準備が整った。あかん、美味しすぎる。四日間、美味しいものを食べ続けるので、量を控えなければならないのに、ついついおかわりしてしまいました。

 食べ終わった器を重ねてみると六つの椀がきれいに重なります。「応量器」と呼ばれる入子の器です。輪島塗だと思います。こんなところにもこだわりと楽しさがあります。

 デザートの果物にかかったヨーグルトは近くの平松牧場のものだとか。甘みを抑えておいしい。

 大満足で9:30に宿を後にしました。