佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『新版 どうせ死ぬなら「がん」がいい』(中村仁一・近藤誠:著/宝島社新書)

2021/02/11

『新版 どうせ死ぬなら「がん」がいい』(中村仁一・近藤誠:著/宝島社新書)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

「何度でも言おう。日本人は医者と医療を盲信しすぎている」。

がんは放置すれば、痛まず、手術や抗がん剤で治療するより長く生きられる。そして、最期まで意識がはっきりしていることが多く、穏やかに逝ける―。がんは放っておくと増殖・転移し、痛みにのたうちまわって死に至る…という悲惨なイメージは、医療界による“洗脳”だった!日本人の死因第1位として恐れられるがんのイメージを覆し、医療の真実を白日の下に晒し話題となった医師対談が、新版として登場。多くの「がん放置患者」の穏やかな臨終を見届けてきた二人が明かす、白い巨塔の虚と実。巻末に曽野綾子氏の特別寄稿を収録。

 

 

 医療、とりわけ検診とがん治療に対する見方が根底から覆されました。これまでなんとなく医療を信頼していた自分の迂闊さにはじめて気づいた。もちろん、ここに書かれていることが本当かどうかは検証し、自分なりに何を信じるか、どうすべきかを判断しなければならない。要は盲信してはいけないということだろう。

 巻末に曽野綾子氏が『「生」と「死」に対峙する際の最高の参考書』という文を寄せていらっしゃる。「どうしたら自分らしく死に責任を持って関われるか」を私も考えたい。さっそくつれ合いに「食べられなくなったら延命介護は不要」と伝えておいた。子どもたちにも伝えておかねばなるまい。

 忘れず心にとどめておくべきことをメモしておく。(知り合いのお医者様、どうぞ気を悪くなさらないでください)

  • 切ると、がんが暴れる。切ったためにがんの進行がスピードアップして早死にする。
  • 自力で物を食べられなくなったときが寿命。(私も全く同感)
  • がんの9割は「末期発見・治療断念」「放置」が最も望ましい。
  • 本物のがんは、見つかった時点で転移している。
  • がんで痛むのではなく「治療」で痛む。
  • 原発事故で国が避難の目安にした「年間」の被ばく線量は20mSv。胸部CT検査は1回で10mSv。
  • 食事療法で注意すべき点は、体力を落とさないために「やせすぎてはいけない」「コレステロール値を下げてはいけない」。日本人はコレステロール値が低い人ほど、がんを含めた死亡率は高くなっている。
  • 日本の高血圧と総コレステロールの基準値はおかしい。人間の体は、必要があって年をとると血圧を高くしている。
  • 還暦あたりを人生の折り返し地点と考え、「還り」の人生は「老いには寄りそい、病には連れそう」のがいちばん。
  • 医療、教育、宗教は恫喝産業。「命がどうのこうの」「将来がどうのこうの」って言われたら、みんな不安になりますから。(「宗教」に関しては私もそう思ってきた)
  • どんな疫学データを見ても、ちょっと太めぐらいの人がいちばん長生きだという結果が出ている。お相撲さんみたいな超肥満も問題だけど、やせすぎの人もコレステロールが足りないから、がんや脳梗塞感染症で亡くなる率が超肥満を上回るほど高い。