佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』(西原理恵子:著/角川書店)

2021/04/23

『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』(西原理恵子:著/角川書店)を読みました。まずは出版社の紹介文を引きます。

女性のための新バイブル。各世代の共感と感涙でベストセラー26万部突破!

ママ友の間でも、SNSでも各所で大反響!芸能人のブログやインスタにもたびたび登場!

もっと早くこの本に出会えていれば!
自分が選んできた人生を、優しく撫でてもらったような気がします。号泣必至!
――ともさかりえ(女優)

大切な事に改めて気づき、日常が宝物に変わっていく。
永遠ではない愛しきバタバタな時間を大事にしたい。
――佐田真由美(モデル)

妻が「娘達にも将来絶対に読ませる」と泣きながら読んでいたので
僕も拝借。なるほど大納得!
――つるの剛士(タレント)

七転び八転びしながら仕事に全力投球し子どもを必死に育てあげたサイバラかあさんが、今だからこそ言っておきたい、厳しくもハートフルな人生指南。
「王子様を待たないで。お寿司も指輪も自分で買おう」――
目下子育てに奮闘しているママにも、反抗期まっさかりの子どもにも、大きくなった元・女の子の娘さんにも、胸にすとんと落ちるメッセージは、
血の通った経験則にもとづく幸せの極意。
これからの時代を自立的に生きるための気づきが満載です!

 

 

 

 西原理恵子氏が反抗期でろくに口も利かないという不仲の娘さんに向けて書かれたエッセイです。先日、本好きが集まった会で出席者のお一人が薦めていらっしゃった本です。その時にそういえばずいぶん前に買って、そのうち読もうと本棚に置いたままだったなと本書を思い出して読んだ次第。

 西原氏が母の立場で娘に向けて書かれた本をジジイが読んでどうするのだということはさておき、流石は西原理恵子、本音で遠慮無く世の中の本質を突いています。立前のきれい事を信じて、なんとなく生きて幸せになれるほど世の中甘くはない。稀にそんな人はいるかもしれないが、そんなものは万馬券を当てるようなもので、それを期待して生きてもおおかたはろくな事にならない。

 西原氏の娘は思春期のまっただ中らしい。西原氏によると思春期とは「心の中のちっちゃな尾崎豊がわんわか暴れている時期」だそうな。なるほど私は尾崎豊尾崎豊的なものと尾崎豊が大好きだと言うヤツが大っ嫌いだ。「ちっちゃな尾崎豊」なんぞ真っ平御免。たとえ娘であろうと、そんなものを心の中に抱えているヤツと話をするなどとこちらから願い下げである。

 そんな娘に母として伝えたいことを率直に書いていらっしゃる。自分をさらけ出して真っ向から書いていらっしゃる。少なくとも私にはそう見える。つくづく親とはありがたいものであるな。私に母親の感性などあろうはずも無いが、父親としても子どもたちに伝えたいことそのものが書いてあった箇所があるのでそれを引いておく。

 これから世の中に出ていく女の子に、覚えておいてほしいことがある。

 立派な言葉なら世の中に溢れているけれど、私が言いたいことは、そういうことじゃない。本当に覚えておかなきゃいけないのは、たぶん、転んだ時の立ち上がり方。

 長い人生、人は何回も転ぶ。その時腐らず立ち上がる方法。

                         (本書P12より抜粋)