2021/08/19
映画『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』を観た。一昨日観た映画『ファーゴ』がことのほか良かったので、コーエン兄弟の映画を観てみようと思ったのだ。
1960年代のフォーク・リヴァイヴァル・シーンで異彩を放ったデイヴ・ヴァン・ロンクがモデルとなっているらしい。私はデイヴ・ヴァン・ロンクを知らないが、この映画を観てボブ・ディランが思い起こされた。この映画の舞台となった年代は私は未だ小さな子どもだった頃。なんとなく懐かしさを感じる。この時代の雰囲気を皮膚感覚で分かるのは私の世代が最後だろう。
淡々としたストーリーだがひとつひとつの場面が印象的で目が離せない。主人公のルーウィン・デイヴィスを演じたオスカー・アイザックの歌唱力とギター演奏がホンモノで、あたかもドキュメンタリー映画であるかのような臨場感あふれるフィルムに仕上がっている。もし私がボブ・ディランのファンだったら、もっともっと映画にのめり込めたに違いない。でも私はディランよりニール・ヤングが好きなのだ。この映画にある音楽も嫌いじゃないが、最上級とまではいかず。悪くないと言っておこう。