佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

自らのITリテラシーの無さを棚に上げてデジタル庁を罵る

2022/01/05

 昨日、スマホに「ワクチン接種証明書アプリ」なるものをインストールした。私はマイナンバーカードを早くから取得し、確定申告の電子申告にも利用している。「ワクチン接種証明書」なんぞちょちょいのちょいで発行できるだろうとなめてかかった。

 アプリは「PLAYストア」ですぐに見つかり、インストールも簡単であった。アプリを起動し証明書発行手続きにすすんだが、第二段階のマイナンバーカード読み取りがうまくいかない。カードの位置が悪いのかと、web検索してみるとカードをかざす位置が機種によって違うのだとか。自分の機種に合った位置を調べてかざしてみたがウンともスンともいわない。カードを裏返したり、少しずつ位置を変えたり、さんざん試したが一向に読み取る気配がない。マイナンバーカードは確定申告の際、USBでPCに接続したカードリーダーでキチンと読めている。マイナンバーカードの不具合ではなかろう。スマホは昨年買い換えたばかりの最新機種である。アプリにバグでもあるのだろうとデジタル庁を罵りつつ断念した。 就寝前、怒りでカッカした頭がさめたころ、天啓のように「NFCの設定が悪いのかもしれない」という考えが降りてくる。さっそくスマホの設定画面を確認してみると、「NFC/おサイフケータイ設定」がOFFになっている。な~んだ、そういうことかと納得。しかし夜ももう遅いので明朝試すことにした。

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 そして今朝、もう一度試してみた。設定画面の「接続」にNFC/おサイフケータイ設定という項目をONにする。昨日インストールしたアプリを起動し、マイナンバーカードをかざすと携帯がブルルと振動し、カードのデータを読みとったではないか。さらに姫路市のワクチン接種データベースにアクセスしてくれて無事証明書が発行された。接種日も間違いない。めでたし、めでたし。

 

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 ちなみにもう一度、デジタル庁の「よくある質問」のページを見てみると、『Q5-1 マイナンバーカードをうまく読み取れません。また、読み取り位置がわかりません。』の項の一番最後に「Androidの場合は、NFC/おさいふケータイの機能をONにしてください。」とちゃんと書いてあるではないか。しかし私はそんなこと「いの一番に書けよ、デジタル庁!」とまたしてもデジタル庁を罵るのであった。チャン、チャン!!

 

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令和四年元旦

2022/01/01

 今年は雪の正月になった。ここしばらくでは例を見ない寒さであるが、正月らしさが戻ったともいえる。

 さて、何にするか迷っていた正月はじめの御酒であるが、雪景色を見て決まった。「雪の茅舎 純米吟醸 生」で今年のスタートを切る。後で車を運転するので盃に一杯だけ。

 雑煮はいつもどおりすまし仕立て。「茅乃舎だし(あごだし)」だけで味が決まる。このだしは便利。

 二時間ばかり酒がすっかり抜けるのを待って「光瑞寺」へ新年の参詣。いつもご院主さんに直接お目にかかって新年のあいさつをさせていただくのだが、去年、今年とコロナ禍を慮って本堂にお詣りするだけで失礼する。いったいいつになったら日常が戻るのやら。

 午後には息子、娘が帰ってきておせちと鍋を囲んで飲む。台所に立って料理を供した後は私はひたすら飲むばかり。息子が持ち帰った「酔心 純米吟醸」も飲んだが、今年は泡を五本用意した。スパークリングワインは口当たりが良く、スイスイすすむ。案の定、夜早い時間にソファに横になって爆睡。こればかりはいつも変わらない正月であった。

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『本バスめぐりん。』(大崎梢:著/創元推理文庫)

2021/12/31

『本バスめぐりん。』(大崎梢:著/創元推理文庫)を読んだ。

 まずは出版社の紹介文を引く。

種川市の移動図書館「本バスめぐりん」。乗り込むのは六十五歳の新人運転手テルさんと図書館司書ウメちゃん、年の差四十のでこぼこコンビだ。返却本に挟まれた忘れ物や、秘密を抱えた利用者など、巡回先でふたりを待ち受けるのは、いくつもの不思議な謎?!書店員や編集者を主人公に「本の現場」を描いてきた著者による新たな舞台は、図書館バス!ハートフル・ミステリ短編集。

 

 

 今年の年末は甘いもの(コージーミステリー)と辛いもの(ハードボイルド)両方を楽しみたい。いや温かいものと冷たいものと言ったほうが寧ろ適切か。そう思って選んだコージーミステリーが本書である。

 正直なところ謎解きとしての楽しみはさしたる事はない。しかしなにせ移動図書館をめぐる物語なのだ。本好きにとってこれほどうれしい設定はないだろう。そしてその名も「本バスめぐりん」とは。長らくバス会社で仕事をした私には特別の親近感があるではないか。二週間に一回、3000冊の本を積んだバスが家の近くに来てくれる。そんな光景を想像するだけで心が浮き立ってくる。そしてその緩さに心温まるではないか。お母さんを癌で亡くした少女がお父さんと引っ越し先を内見していたところに「本バスめぐりん」が廻ってきたのを見て「ここに引っ越したい」と言ったエピソードに心が震えた。

 さて次はハードボイルド。レイモンド・チャンドラー生誕百年を記念して、気鋭の作家がフィリップ・マーロウを蘇らせたトリビュート・アルバム的短編集。はてさてマーロウがどんな活躍を見せてくれるのだろう。これまた想像するだけで心が浮き立つ。

 

 

『福運楼』で動けなくなるほどに

2021/12/30

 正月準備の買い出しに手間取り帰りが遅くなってしまったので、外で夕食を食べて帰ることにした。店は上大野の『福運楼』。年末の締めくくりとしてめでたい名ではないか。結構、結構。

 この店は私のお気に入りでしばしば訪れる。理由は三つ。ひとつ目はおいしいこと。しかし特別においしいわけではない。ふたつ目はボリューム満点であること。これはうれしいことではあるが、ウエイトを気にする私にとって諸刃の剣的悩ましさも内包している。三つ目。これが決め手であるのだが、このお店のお嬢さんが店の手伝いをしているのをよく見かけるのだ。ことわっておくが色ボケじじいがうら若き乙女をいやらしい目で見ているわけではけっして無い。敢えて言うなら、前途のある子どもを好々爺の慈しみの目で見ていると言わせていただきたい。今時、小中学生の子どもが家業を手伝っている姿を見るのはまれである。しかしこのお店ではその姿をしばしば見かけるのである。もちろん学校に通っているだろうから、見かけるのは休校日など学校のない時間帯に限られるように思うが、その姿を見るとなんともうれしくなるのだ。私も子どもの頃はよく家業を手伝ったものだ。子どもの頃の家は養鶏をやっていた。夏休みや冬休みともなるとたくさんの鶏が産んだ卵の採卵と洗浄、箱詰めを手伝わされたものだ。「手伝わされた」と書いたが、私も親も子どもが家業を手伝うのは当然のことと思っていた。もちろん手伝いをすることが嫌でなかったとまでは言わない。友達が遊びに誘いに来たときなど、「後で」と言うのはやはり辛かったし、家の手伝いをしなくてよい友達が羨ましくもあった。それでもそれはしなければならないミッションであったように思う。家族が助け合って生きていくのはあたりまえことであったし、何よりも両親は遊んでいる暇などなく働きづめであったのだから。『福運楼』がそうだとは言わない。しかし両親が飲食店を営んでおり、子どもが手伝えることは手伝うという姿は一昔前の家族のあり方を思い起こさせる。そのことが私の足を『福運楼』に向かわせるのだ。

 この店の料理がボリューム満点であることはわかっていたが、つれ合いと私それぞれが二品ずつ注文することにした。つれ合いは「酢豚」と「おこげのあんかけ」、私は「石鍋麻婆豆腐」と「ニンニク炒飯」を注文。つれ合いが帰りのハンドルを握ってくれるというので私は瓶ビールの大を注文。麒麟の瓶ラガーを飲むのは久しぶりである。やはりうまい。「酢豚」、「おこげのあんかけ」、「石鍋麻婆豆腐」、「ニンニク炒飯」の順で適度の間合いを置いて供された料理を二人でシェアして食べていく。どれもおいしく、我々は「おいしいね」と言いながら次々と口に運んでいったが、齢60歳を超えた二人にこのボリュームは大きな壁として立ちはだかった。しかし、おいしいので無理をしてでも食べる。無理も限界にきたと感じてもせっかく感心なお嬢さんが運んでくれた料理である。ゆめゆめ残すようなことなどできはしない。うんうん苦しみながらなんとか食べきった。すぐにも横になりたい気分だったが、なんとか立ちあがり、何食わぬ顔で支払いを済ませ店を後にした。

「福運」。ありがたや。これで来年も我々は恙無く幸せに暮らせるであろう。いつまでもおいしいものを好きなだけ食える幸せを授かりますように。

 

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『沢村貞子の献立 料理・飯島奈美 2』(飯島奈美:著/沢村貞子:献立/齋藤圭吾:写真/リトルモア)

2021/12/26

沢村貞子の献立 料理・飯島奈美 2』(飯島奈美:著/沢村貞子:献立/齋藤圭吾:写真/リトルモア)を読んだ。

 まずは出版社の紹介文を引く。

◎ 3万部の大ヒット作『沢村貞子の献立料理・飯島奈美』、期待の続刊

NHK Eテレ「365日の献立日記」書籍化 第2弾!
(献立 沢村貞子/ 料理 飯島奈美/ 声 鈴木保奈美)

毎日の家での食事を楽しく――

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献立は、昭和の名脇役と呼ばれる沢村貞子さんが約26年間、毎日続けた献立日記から。
料理とレシピは、映画・ドラマ・CM(「大豆田とわ子と三人の元夫」「深夜食堂」など)で数々の料理シーンを彩るフードスタイリストの飯島奈美さんが手がけました。

献立日記や残された文章の端々から、沢村さんの工夫や心遣いを読みとり、飯島さんはレシピを考案していきました。
沢村さんの時代の料理のエッセンスを受けつつも、食材の取り合わせに、作り方に……随所に飯島さんのアレンジが効いています。
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春夏秋冬84品のレシピを収録
〈春〉すぶたひらめのフライ青豆ごはんやきどうふの煮もの鯵のぬた……
〈夏〉ジェリースープしゅうまいかきたま汁コールドミート冷やしのっぺい……
〈秋〉ドラやききんぴらポテサラ木の葉カツ煮こみおでんえび入りニラたま……
〈冬〉すきやきぶりてきパイシェルかきのスープ甘酒(しょうが汁)……
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さらに多数のロングセラーを持つ文筆家・沢村貞子の名文を抜粋しておさめました。
飯島さんが沢村さんに語りかけるように綴る文章とあわせて、食や暮らしにまつわる読み物としても、たっぷり楽しめます。

家で料理を作る楽しさ、豊かさにあらためて気づかせてくれる一冊です。

 

 

 

 12月7日に第一弾を読んだ。本書はその続編である。飯島奈美さんは沢村貞子さんの日記にある料理を作ってみるとき、1950~70年代の料理本を参考になさっているそうで、飯島さん曰く、「今の時代のレシピは、時間の短縮、簡単、簡便が主流で、確かにそれもいいけれど、手強そうなのもなかなかいい」とのこと。如何にも尤もだと膝を打って同意する。とてもプロの料理人のようにはいかないけれど、ほんの少し手をかけて作って、食べたときにその効果でおいしく仕上がっていればそれほど嬉しいことはないだろう。気取りのない料理だが、思いがけないものがチラホラあり、それこそ沢村さんが食卓に変化を持たせようと工夫していらっしゃったのだろうと窺い知ることができる。料理レシピを知りたいのはもちろんだが、沢村さんの日々の生活態度を見習いたい思いである。

 いずれ作ってみようとレシピを記録したものは次のとおり。

  • ねぎま
  • ぶりてき
  • かぶと油揚の酒かす煮
  • 豆腐のフライ
  • ドラやき
  • 新わかめの茶わんむし
  • 湯びき牛肉のからし醤油そえ
  • しょうがご飯
  • 柳川もどき(新ごぼう、豚肉、しょうが、玉子)
  • 夏野菜の土佐酢風味
  • ピーマンのなべしぎ
  • うどのみどり酢あえ
  • れんこんのおろしあげ(れんこん、玉子)
  • 鯵のぬた
  • キスのピカタ
  • かにみそ卵とじ

 

jhon-wells.hatenablog.com

 

門担ぎの松を手入れする

2021/12/27

 門担ぎの松が生長し、枝が屋根に障るようになってしまった。下に伸びた枝が瓦を押して瓦の並びがゆがみかけているのである。もう十数年も前になると思うが、斜めに伸びた松がその重みで屋根に乗っかりそうになっているのを下から支えて持ち上げていた。枝が伸びたのと、支えが若干朽ちてきたのとで、その持ち上げ方では足りなくなったようである。新しくもう少し長い支えを調達し取り替えねばならない。独りではできそうもないので叔父の手を借りて作業することに相成った。

 今日は極寒雪模様の朝。どうしようかと迷ったが道路は凍結していない。木の切り出し作業には影響なかろうと決行することにした。

 山は昔植えた杉、檜が太く大きくなっている。しかしそんな立派な木は要らない。後から自然に生え育ったとみられる小さめの檜があったのでそれを切り出してきた。切り出した木を適切な長さに切り皮を剥く。もう一本、作業用の支えに使う木を作り、それとジャッキで松を持ち上げる。松が屋根に障らないだけに持ち上がったら、新たに作った支えに取り替えて出来上がり。

 まずまずの出来である。と言っても、ほどんど叔父の働きによるものだけれど。十年ぐらいはこのまま保つだろうか。しかしもう十年後は自分では出来ないな。というより生きているかどうかも怪しいものだ。

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