佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

「誘拐ラプソディー : 荻原浩 著」(双葉文庫)を読了

 おもしろい。 この一言だ。
 氏の小説を読むのはこれが3冊目。全ておもしろかった。単におもしろいだけではない。全てが人情話でホロリとさせる。しかし決してお涙ちょうだいではない。文体は軽妙洒脱。ストーリーは読ませる。ぐいぐい引き込まれる。ページを捲るごとに笑わせるユーモアがある。主人公の二人、誘拐犯・伊達秀吉、誘拐される子供・篠宮伝助ともに魅力的なキャラクターだが脇役に魅力がある。脇役に魅力があることは良い小説の条件だ。すっかりはまってしまった。

誘拐ラプソディー (双葉文庫)

誘拐ラプソディー (双葉文庫)

『本の紹介』裏表紙より
 伊達秀吉は、金なし家なし女なし、あるのは借金と前科だけのダメ人間。金持ちのガキ・伝助との出会いを「人生一発逆転のチャンス?」とばかりに張り切ったものの、誘拐に成功はなし。警察はおろか、ヤクザや」チャイニーズマフィアにまで追われる羽目に・・・・・。しかも田助との間に友情まで芽生えてしまう・・・・。
 はたして、史上最低の誘拐犯・秀吉に明日はあるのか?たっぷり笑えてしみじみ泣ける、最高にキュートな誘拐物語。