佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

2016年7月の読書メーター

 7月は上田秀人氏の『御広敷用人シリーズ』を最新刊まで読んだ。また新たに真山仁氏の『ハゲタカ・シリーズ』を読み始めた。シリーズものは面白いがそれを読んでいる間、他の本に手がつかないという嫌いがある。読みたい本はどんどんたまっていくのに、本を読む時間は限られている。積読本増殖中。

 

2016年7月の読書メーター
読んだ本の数:14冊
読んだページ数:5341ページ
ナイス数:1436ナイス

ハゲタカ(下) (講談社文庫)ハゲタカ(下) (講談社文庫)感想
果たして会社は誰のものなのか。決して経営者のものではない。たとえ創業家であってもそうではない。ではアメリカのいうように株主のものなのか。それも違う。その答えを続編『ハゲタカⅡ バイアウト』、『レッドゾーン』を通じて考えることになりそうだ。続編を読もう。
読了日:7月27日 著者:真山仁
ハゲタカ(上) (講談社文庫)ハゲタカ(上) (講談社文庫)感想
この小説がNHKによってドラマ化され放映されていたのは知っている。しかし幸か不幸か私はそれを観ていない。なるほど高度経済成長期が終焉し、バブルがはじけた日本を舞台に、日本的価値観と欧米的価値観の対比を軸に物語が展開していく。そして時代の趨勢として当然のことながら日本的価値観、日本的経営は一敗血に塗れるのである。もはや”Japan as Number One”とたたえられた日本の栄光は見る影もない。生粋の日本人である私として読んでいてつらいものがある。せめて下巻の中で日本人の品格の何たるかを見たいものだ。
読了日:7月25日 著者:真山仁
真夏の方程式 (文春文庫)真夏の方程式 (文春文庫)感想
探偵ガリレオシリーズ第六弾ですね。このシリーズを私は第一弾『探偵ガリレオ』、第三弾『容疑者Xの献身』と本書、計三冊しか読んでいない。こうしたシリーズものはできるだけ順番に丹念に読んでいくことが望ましいと思っているのだが、乱雑な読み方になってしまった。今が季節的に真夏であることもあり、ええいままよ、とばかり積読本の山から手に取ったのだ。相変わらず湯川学のセリフが論理的に明快で気持ちイイ。事件の背景にある真実の意外性もなかなかのもの。本シリーズ、他の本も全て読まねばなるまい。
読了日:7月24日 著者:東野圭吾
情愛の奸: 御広敷用人 大奥記録(十)情愛の奸: 御広敷用人 大奥記録(十)感想
『情愛の奸』というサブタイトルがつけられた本巻。「奸」とは悪者、邪なこと、悪賢いこと。いい加減、権力を巡る陰の争いや大奥の邪なことにうんざりしてきた。どうやら上田秀人氏は、このシリーズで大奥の悪辣な所業を殊更にかき立てることで読者の怒りを最高潮に高めることを楽しんでいるらしい。確かに読者は悪に怒れば怒るほど吉宗や聡四郎によってその悪が退けられたとき、ざまあみろとスキッとするのだが。シリーズはまだまだ続きそうだ。まんまと上田氏の術中に陥っている。
読了日:7月16日 著者:上田秀人
空飛ぶ広報室 (幻冬舎文庫)空飛ぶ広報室 (幻冬舎文庫)感想
有川さんの自衛隊ものは私の好物だ。三部作『塩の街』『空の中』『海の底』を読んで私は有川さんの大ファンになった。『クジラの彼』もイイ。そう、有川浩といえば「ミリタリー」と「恋愛」なのだ。あっ、いかん。自衛隊をミリタリーと表現してはいかんのだ。本書『空飛ぶ広報室』においてもお約束のいじいじした恋愛が盛り込まれている。じれったいったらありゃしない。しかし他の自衛隊ものより甘さは控えめではある。
読了日:7月15日 著者:有川浩
典雅の闇: 御広敷用人 大奥記録(九) (光文社時代小説文庫)典雅の闇: 御広敷用人 大奥記録(九) (光文社時代小説文庫)感想
お公家さんが絡んでくるとさらにややこしなりますなぁ。おっと、シリーズ第10巻『情愛の奸』が本日発売になっておりまする。しかも本日はamazonプライムデーで本日プライム会員に限り10%還元。ラッキー! 「1clickで今すぐ買う」をポチッ。
読了日:7月12日 著者:上田秀人
柳眉の角: 御広敷用人 大奥記録(八) (光文社時代小説文庫)柳眉の角: 御広敷用人 大奥記録(八) (光文社時代小説文庫)感想
竹姫を襲った者に対する吉宗の怒りは凄烈。竹姫も怒りは苛烈であろうけれど、 あくまで気品を失わずやんごとない。『柳眉の角』とはそうした意味か。
読了日:7月11日 著者:上田秀人
操の護り: 御広敷用人 大奥記録(七) (光文社時代小説文庫)操の護り: 御広敷用人 大奥記録(七) (光文社時代小説文庫)感想
天英院のバカさ加減と竹姫の聡明さが際だった今巻。それにしても竹姫は吉宗の継室にならなかったはず。ということはさすがの吉宗も天英院の邪魔立てに屈したということか。そのあたりのいきさつを上田秀人氏がどう描くのか続きが楽しみだ。もう一つ、美人くノ一の袖が女の幸せを手に入れることができるのかどうか、それも気になりつつ第八巻『柳眉の角』に読み進む。
読了日:7月10日 著者:上田秀人
茶会の乱: 御広敷用人 大奥記録(六) (光文社時代小説文庫)茶会の乱: 御広敷用人 大奥記録(六) (光文社時代小説文庫)感想
たかが野点であっても大奥での面子がかかるとなるとこれほどまでに凄まじい争いになるか。さすがに第六巻まで読むと慣れてきて、嫌らしく陰湿な大奥の女たちの所業も読み物として楽しめるまでになった。それにしても一三歳の竹姫の凜とした覚悟が素晴らしい。さて、物語の焦点は吉宗の目論みどおりに竹姫を御台所に迎えることができるかどうかに移ったが、その前にくノ一・袖がどうなるかが目下最大の気がかりである。私も男だ、美人にはめっぽう弱い。
読了日:7月9日 著者:上田秀人
血の扇: 御広敷用人 大奥記録(五) (光文社時代小説文庫)血の扇: 御広敷用人 大奥記録(五) (光文社時代小説文庫)感想
いよいよ御広敷伊賀者が竹姫と吉宗に牙をむいた。というより深みにはまり追い詰められたというべきか。邪な者どもを正義の剣が断つ。憎らしさが溜まりにたまったところで一気に悪を蹴散らす様は本当に気持ちの良いものです。これぞ剣豪小説のカタルシス。大宮玄馬が手加減して命を取らなかった伊賀者・袖に心の変化の兆しが・・・。玄馬と袖に何らかの展開がありそう。紅のお腹にも聡四郎の子が宿った由、次巻の展開が気になる。読み出したら止まらん。
読了日:7月9日 著者:上田秀人
鏡の欠片: 御広敷用人 大奥記録(四) (光文社時代小説文庫)鏡の欠片: 御広敷用人 大奥記録(四) (光文社時代小説文庫)感想
げに怖ろしきは大奥、いや女の本性というべきか。竹姫に対する嫌がらせの陰湿なこと。「てめえら人間じゃねえ、たたき切ってやる!」と吠えそうになったところ、お客あしらい役の野笛をギャフンと言わせた紅の啖呵に溜飲がさがった。
読了日:7月8日 著者:上田秀人
小袖の陰―御広敷用人大奥記録〈3〉 (光文社時代小説文庫)小袖の陰―御広敷用人大奥記録〈3〉 (光文社時代小説文庫)感想
聡四郎と玄馬を狙って新たな刺客が・・・、といってももう慣れっこになってハラハラドキドキはしない。といって飽きさせないのは上田秀人氏の名人技といえる。大奥と伊賀者という二つの闇。放縦に振る舞う吉宗は果たしてこの二つの闇をどう扱うのか。興味深まり第四巻に続く。
読了日:7月4日 著者:上田秀人
化粧の裏―御広敷用人大奥記録〈2〉 (光文社時代小説文庫)化粧の裏―御広敷用人大奥記録〈2〉 (光文社時代小説文庫)感想
異例のこととして五代将軍徳川綱吉の養女となり、大奥に居た竹姫を巡る謎を軸に物語が進んでいく。竹姫の婚約相手、会津藩主松平正容の嫡子久千代の早世。さらには結納まで済ませた有栖川宮正仁親王の急死。どうやら上田秀人氏はその謎に読者をあっといわせる仮説を用意しているのではないか。吉宗が竹姫を見初め継室に望むが、大奥はそれを阻もうとする様子。いったい竹姫と大奥にどのような隠されたいきさつがあるのか? 上田氏がどのような空想を持って物語を紡いでくれるのか、楽しみである。
読了日:7月3日 著者:上田秀人
女の陥穽―御広敷用人大奥記録〈1〉 (光文社時代小説文庫)女の陥穽―御広敷用人大奥記録〈1〉 (光文社時代小説文庫)感想
勘定吟味役異聞」シリーズ全八巻を読み、すっかり水城聡四郎のファンになってしまった。かくなるうえはその続編「御広敷用人 大奥記録」シリーズも読まねばなるまいと第一巻『女の陥穽』を手に取った。こうしたシリーズものを読み始めると、他の本が読めなくなり困るのだが、気になって仕方がないのだ。やむを得ないのだ。早く読んでしまうのだ。それにしても『女の陥穽』とはなんと怖ろしい題名だ。「陥穽」などという言葉を初めて知ったぞ。
読了日:7月2日 著者:上田秀人

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