『あつあつを召し上がれ』(小川糸:著/新潮文庫)を読みました。
まずは出版社の紹介文を引きます。
母親から丁寧に伝えられたおみそ汁、離れて行く恋人と食べる松茸料理、何も食べられなくなったお祖母ちゃんに食べてもらえた思い出の一品……。ある時、ふいに訪れる、奇跡のような食卓。大好きな人と一緒に食べる歓び、幸福な食事の情景を巧みにくみこんで、ありきたりでない深い感動を誘う、七つのあたたかな短篇小説。
あぁ、なぜ読んだのだろう。ずいぶん前のことだが『食堂かたつむり』を読んだときと同じ感覚を持ってしまった。それはある種の違和感というか、気持ちの悪さというか、見たくないものを見せられたような感覚です。
読んでみようと思ったのは、どこかのサイトで高評価の書評を読んだのだったか。その書評にウソは無いと思う。現に小川糸氏の小説を高く評価する人は多い。ただ私の趣味に合わないというだけのことなのだ。どうにも我慢ならない感覚のズレのような。
「バーバのかき氷」(☆☆)、「親父のぶたばら飯」(☆☆☆)、「さよなら松茸」(☆☆☆☆)、「こーちゃんのおみそ汁」(☆☆☆☆☆)とだんだん良くなっていたのに、「ポルクの晩餐」で評価ゼロ、いやむしろマイナス。最後の「季節はずれのきりたんぽ」は一応読んだが、もうどうでも良くなっていた。コース料理を食べていて、中の一品がどうにも口に合わなくて、食欲がなくなってしまった感じだ。
本書に合わせて『喋々喃々』(ポプラ文庫)も買ってしまっている。読もうか読むまいか。とりあえず、本棚に積んでおくことにする。