佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『鎌田實の人生図書館』(鎌田實:著/マガジンハウス)

『鎌田實の人生図書館』(鎌田實:著/マガジンハウス)を読んだ。

 まずは出版社の紹介文を引く。

読書は人生における羅針盤の役割を果たしてくれた。今だからこそ読み返したい名作ぞろい。
目次

  • 第1章 “自分好み”を追い求めてきた(カマタ好みの「物語る」日本の作家ベスト7骨太の作家たちベスト10 ほか)
  • 第2章 僕の人生を変えた、この本!(僕の人生を支えてくれた“名著”たちノーベル文学賞作品が教える「別角度の世界」 ほか)
  • 第3章 人生を彩った名画たち(カマタの好きな映画ベスト10好きな映画監督ベスト3 ほか)
  • 第4章 人生に迷ったら、映画館へ行こう(映画館の暗闇に身を沈める快楽さまざまな愛を描く映画を堪能しよう ほか)
  • 第5章 絵本は「心の癒やし」です(まちなかライブラリー鎌田文庫にようこそ!絵本の余白には人生の機微が描かれている ほか)

鎌田先生、渾身の読書案内! 「読書は人生の羅針盤の役割を果たしてくれた」実の親に捨てられ、養父に育てられた著者。貧乏な家庭の事情をわかってくれていた学校の先生が「図書館の本を何冊でも借りていっていい」と言ってくれたことが、鎌田先生の人生を変えていきました。世界を広げてくれた400を超える本や絵本、映画を取り上げ、生きること・死ぬこと、人生の面白さや心の機微にいたるまで鎌田流に読み解いていきます。本は世界で起きていることへの関心を持ったり、物事を考えるうえでの武器にもなります。さらに心の健康づくりのヒントにも。メジャーな作品からビジネス書まで、コロナ禍の今だからこそ、ゆっくりと手にとってみてはいかがでしょうか。●大災害、大恐慌、そしてパンデミックを生き抜いた宮沢賢治は、今を生きるヒントを与えてくれる●「ほっとけない作家」ベスト10●「人生なんでもあり」で生きようーー檀一雄の生き方●読書は「いま世界は」「そして自分は」を考える武器になる ……など。鎌田先生の持つ温かな心や、豊かな知恵や、深い知識や。細やかな人情や元気の源が分かった! みんな本を読もう!まずこの本から! ーーさだまさしさんページをめくるにつれ、ふと、自分が子供時代に読んだ本、若い頃に観た映画と、もう一度、あいたくなった。ーー阿川佐和子さん

 

 

 

 私は新聞や雑誌に掲載される書評を読むのが好きです。また、友人知人との会話の中で最近読んで良かった本や映画、あるいはこれまで出会った中で心に残っている本や映画について聴くとメモを取ります。そうして知った本や映画はハズレが少ないからです。それはそうでしょう。人に話したいほど感銘を受けたり、感動の涙を流したり、それについて思索に耽ったり、生きていく指針にしたりしているからにはそれなりの”何か”があるはずだからです。仮にハズレがあったとすれば、私がその価値に気づけなかったり、理解できなかったということでありましょう。

 本書は鎌田實氏の推し「本」「映画」「絵本」を紹介したものです。これは面白そうだな、これは人生で一度は読んでおくべき本だなといった本や映画にあふれている。もちろん既に読んだ本、観た映画もあるけれど、ほとんどは知らないもの、知っていても実際に読んだり観たりしていないものだ。紹介された本の中で何冊かをamazonで購入したり、図書館の予約リストに登録した。映画についてはメモを残し、これから少しずつ観ていくことにしようと思う。

 本書の中で気に入った引用があったので忘れないようにここに記しておく。

「人間が不幸なのは、自分が幸福であることを知らないからだ」

                ドストエフスキー『悪霊』より

 

「私は自由です。だから道に迷ったのです。

                カフカ

 

「幸福だから笑うわけではない。むしろ、笑うから幸福なのだ」

                アラン『幸福論』より

 

「『人は幸福になるために生きている』という考えは、人間生来の迷妄である」

               ショーペンハウアー『幸福について_人生論』より