佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『狙撃手のゲーム (上・下巻)』(スティーヴン・ハンター:著/扶桑社ミステリー)

2024/03/21

『狙撃手のゲーム (上・下巻)』(スティーヴン・ハンター:著/扶桑社ミステリー)を読んだ。

 まずは出版社の紹介文を引く。

(上巻)

アイダホで隠棲中のボブ・リー・スワガーを、ひとりの女性が訪ねてくる。彼女の名はジャネット・マクダウェル。2013年にイラクの戦地で息子を射殺した敵軍のスナイパーをずっと追い続けているという。その男こそは「ジューバ・ザ・スナイパー」の異名で恐れられてきた、凄腕のシリア人テロリストだった。アラブ諸国でジャネットが歩んできた壮絶な体験談を聞いて胸を打たれたボブは、あくまで調査への協力としながらも、情報収集のためテルアヴィヴに飛び、モサドの高官と面会することにー。

(下巻)

ボブの分析をもとに割り出されたジューバの拠点にイスラエル軍が急襲をかけるも、軍はすんでのところで彼を取り逃がしてしまう。その後、消息を断ったジューバが向かったのは、まさかのアメリカだったとの情報が。
イスラム最強の天才シューターが狙う標的とはいったい誰なのか。射撃決行の場所と時間は? マンハントの最前線に復帰したボブが体験する壮絶な追跡劇。そして、やがて訪れる「狩りのとき」、二人の放つ必殺の銃弾がうなりを上げる! 巨匠の新たなる代表作がここに誕生!

 我らがヒーロー、ボブ・リー・スワガーも御年70歳を超えたか。私よりもかなり年上。そんな年で果たして活躍ができるのか。周りを見ても70歳を超えてアクションもののヒーローを演じられるほど元気な年寄りは極めて稀だ。そろそろこのシリーズにも限界が来たなと思う。しかし未だシリーズ未読作が確か3~4作残っていたはずだと不思議に思って本棚に控えているのを確認してみると、なんと読む順番を間違えていることに気づいた。作品ごとに物語が完結しているので、順序を違えても問題はないのだがなんとしたことか。年をとるとこんな凡ミスが多くなる。どうやら私は齢64にして耄碌してきているようだ。

 ボブ・リーはさすがに激しい格闘はできないが信じられないくらい元気だ。また、本書のキーとなるミセス・マクダウェルもまた60歳前後の年齢だろうがまだまだ元気である。私もまだまだ老け込むわけにはいかない。本の感想をさておきそんなことを考えた。

 本書で特筆すべきは「ジューバ・ザ・スナイパー」の異名を持つシリア人テロリスト。もし、年齢がボブ・リーと似かよっていたとしたら、そして戦場で相対していたとしたら、どちらが勝つか分からないほどの凄腕のスナイパーだ。善悪はともかく、スナイパーとしての心掛けも超一流ときた。あらゆるデータを見逃さず、どんな些細なこともおろそかにすることなく周到な準備に余念がない。敵ながらあっぱれと言うほかない。

 次は『スナイパーの誇り    Sniper's Honor』(2014年発表)を読む。