佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『ソフト・ターゲット ”SOFT TARGET"』(スティーヴン・ハンター:著/公手成幸:訳/扶桑社ミステリー)

2023/12/01

『ソフト・ターゲット ”SOFT TARGET"』(スティーヴン・ハンター:著/公手成幸:訳/扶桑社ミステリー)を読んだ。

 まずは出版社の紹介文を引く。

感謝祭明けの金曜日。アメリカ最大のショッピング・モール〈アメリカ・ザ・モール〉がテロリストに襲われた!立て続けに買い物客を撃ち倒した彼らは、一千人あまりの客を人質にして立てこもる。偶然フィアンセとともにモールを訪れ、テロに巻き込まれた海兵隊退役一等軍曹レイ・クルーズは、単身凶悪なテロリストに立ち向かうことに……。圧倒的な興奮を呼ぶジェットコースター・アクション!

 

テロリストは十数名。イスラム教徒のソマリア人だった。若い彼らは銃の乱射を楽しんだ後、殉教行動を唱えるリーダーの命令により買い物客を駆り集め、千人を超える人間を人質にとった。一方、レイは状況を観察した結果、人質にとられた人間が女性、子ども、老人などの弱者であることを見て取った。ボブ・リー・スワガーの息子であるレイは、スナイパーの血脈を受け継ぐ男として、目の前の事態に対処することを決意し、行動を開始する。海兵隊退役一等軍曹レイ・クルーズ。新しいヒーローの誕生。

 

 本作もスワガー・サーガの1作であるが、ボブ・リー・スワガーは登場せず、ボブ・リーの血を引く元海兵隊員レイ・クルーズが主人公。テレビ局のニュース制作部に勤める娘のニッキも登場する。解説にもあったが映画『ダイ・ハード』を意識して、レイ・クルーズが活躍するスリル満点のアクションものに仕上がっている。

 読みやすく、息をもつかせない展開は迫力満点だ。しかしやはり私はレイ・クルーズが主人公のものよりボブ・リーが主人公のもののほうが好みだ。なんというか人物の厚みが違うのだ。

 さて次は『第三の銃弾』を読むこととしよう。「銃器やスナイパーに関した著作が多い作家 アプタプトンが夜間の帰宅途中、車に轢きころされた。警察は事故として処理したが、 実際は車を使う殺人を専門にするプロのロ シア人殺し屋による犯行だった。しばらく 後、被害者の妻がボブ・リー・スワガーの もとを訪れ、事件の調査を依頼する・・・」といった内容のようだ。またボブ・リーの活躍を楽しむことが出来そうである。