佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

じゃりン子チエ 13

レイモンド飛田: あ・・・そや  おい 作品

 

レイモンド飛田の子分: ヘイ・・・

 

チエ: 作品・・・・・・!?

 

レイモンド飛田の子分: ハハハ・・・ ワシらのカタギ復帰第一号が出来たんや

 

レイモンド飛田: 結晶や 結晶  地道なカタギの血と汗の結晶や

 

チエ: ・・・なんのこっちゃ

 

レイモンド飛田の子分: ほらっ 知恵の輪の詰合わせ

 

チエ: わ~ こ・・・これ

     オッちゃんら職人になる ゆうとったけど 仕事 やってたん

 

レイモンド飛田: 当たり前や ワシら テツみたいなニセカタギとちゃうで

 

チエ: そやけどテツがいつ行っても

     オッちゃんとこのシャッター閉まってるゆうから

 

レイモンド飛田: それはテツにチャチャ入れられると カタギが嫌になるからや

           おかげでワシら 蟹工船みたいな生活しとるんやで

 

チエ: な・・・ なにみたいて・・・?

 

レイモンド飛田: ワシが若い時見て 涙流した映画や

           テツが頭にボール当ててる時に ワシは暗い映画見て泣いてたんや

 

チエ: ・・・いちいちテツのことゆうなぁ

 

                                   (本書P128~129より)

 

 

じゃりン子チエ 13』はるき悦巳・著/双葉社 ACTION COMICS)を読みました。

 

この巻はなんと言ってもヨシ江はんですな。百合根光三(お好み焼き屋のオヤジ)が離れて暮らす息子カオルのことを相談できるのもヨシ江はんなら、某大学応援団長をして「美しい人だ」と言わしめ、一目惚れさせただけでなく、テツの奥さんだと知ると「許せんっ!」と逆上させるのもヨシ江はんなのである。ひょうたん池での老若男女猫入り乱れての大乱闘もヨシ江はんの「やめなさい!!」の一言でたちまち静寂が訪れる。その様はノルマンディー上陸作戦の真っ最中に世の中がいきなり停電になったようだったそうな。端厳粛正とは彼女のためにある言葉である。