唐獅子株式会社 (新潮文庫)の感想
こうしたヤクザものに顔をしかめる人もいるだろう。しかしヤクザの世界の不条理は遍く他の世界にも存在する。親分から言いつけられた無茶を何とかしようと頑張る姿は、サラリーマンの世界そのものではないか。弱小組の悲哀は中小下請企業そのものだ。また本書はアイロニーに満ちている。ヤクザは無頼漢として怖れられてはいても真っ当でないと蔑まれる。そうしたヤクザが滑稽な役回りを演じる。読者は一種の優越感を持って読んでいくのだが、いつしか自分の知識の無さ、浅薄さに気づかされることになる。ただのおたわむれではないのだ。すごい。
読了日:3月31日 著者:小林信彦
利休にたずねよ (PHP文芸文庫)の感想
昨日、旅行で大徳寺を訪れるに際し、もう一度読んだものです。4年ぶりの再読です。秀吉が関白であった頃の大徳寺山門がいかようであったのだろうと思い浮かべながら、利休の木像に端を発し、古溪宗陣、千利休、石田三成、徳川家康、前田利家、前田玄以、細川忠興、古田織部などなどの人生がここで交錯したのだなぁと感慨深い。大仙院の書院にある茶室で、利休が茶を点て、秀吉の「花を活けよ」という言いつけに、利休は茶室には活けず、外の枯山水の石に金物の花入を置いて水を打ち、花を飾ったという逸話の庭石を目の当たりにした幸せ旅でした。
読了日:3月26日 著者:山本兼一
キアズマ (新潮文庫)の感想
やはりこのシリーズに外れなし。ヨーロッパでは紳士のスポーツをいわれるロードレースの醍醐味が随所に盛り込まれており、特にエースとアシストの関係において表れるこのスポーツの精神性の気高さに感動を禁じ得ません。自転車競技において求められるのは単にフィジカルな強さではなく、精神性の高さ、人間性の深みにあるのだと改めて感じた次第。エースが背負うものの重さは、エースのために犠牲を払うことを厭わないアシストの思いの深さだ。ビジネスにおいても、いや大げさなようだが人としての生き方を考えるとき、忘れてはならない視点だろう。
読了日:3月22日 著者:近藤史恵
新・いま頑張らずにいつ頑張る!―尾関宗園の生き方語録の感想
「そんなに願張らなくったっていいんだよ」とは何ととんでもない言いぐさだ。いったい誰が自分を磨いてくれるというのか。人への依存心を捨て、自分をさらけ出してやってみろ。自分の力を精一杯出しきる以外にない。今すぐやれ、ここでやれ、一歩踏み出す勇気を持て。やり始めたら物事は進み始める。姿勢を正せ。気迫を込めよ。人のせいにするな。全力でやりきれ。苦しいときも、病のときも、失敗したときも、人生すべて楽しめ。力を抜いてのめり込め。私にはできる。便所は慎独(ひとりをつつしむ)最適の道場。元気が出ました。感謝。
読了日:3月20日 著者:尾関宗園
心配するな、なんとかなるの感想
来週、大仙院を訪れ宗園和尚の講話を聴かせていただくので、その前に読んでおこうと思った本。「禅」「道」「意気」について説いていらっしゃいます。お目にかかるのが楽しみになりました。山本兼一氏の『利休にたずねよ』(PHP文芸文庫)は前に読んだが、もう一度読んでいこう。
読了日:3月19日 著者:尾関宗園
春の数えかた (新潮文庫)の感想
私も本格的な春を待つ二月から三月にかけてのこの季節の不思議に驚き、ワクワクする人間の一人です。今年も日高先生のエッセイを読み、共感し、外に出たくなる、そんな春を満喫しています。「春の数えかた」とは素敵なネーミングです。その一言に動物や虫たちがどうして春の到来を知るのかという不思議と、来たるべき春を心待ちにする喜びに満ちたわくわく感を感じることができるからです。今年の春も良い春になりそうです。椎名誠氏の巻末解説もすばらしい。
読了日:3月17日 著者:日高敏隆
寝ころび読書の旅に出た (ちくま文庫)の感想
もうあかん・・・ 書痴というか、ビブリオマニアというか、読みたい本を見ると見境無く買ってしまう中毒患者にとって禁断の書をまたまた読んでしまった。 私も”寝ころび読書の旅”に出たいのだ。こんなものを出版されてはついつい読んでしまうではないか。見境無く16冊を発注! シーナさん、誠に迷惑千万でございます。 もうあかん・・・; 私バカよね~~♪ おバカさんよね~~~♪ 激しく後悔しながら、ウキウキしているのは何故だ?
読了日:3月10日 著者:椎名誠
週刊ダイヤモンド 2016年 2/6 号 [雑誌] (儲かる農業)の感想
小泉家の血は争えません。抵抗勢力に対する向こう意気の強さは小泉家のDNAなのかも。小泉進次郞さんが小泉金次郎さんになったとき、日本の農業は再生するかもしれません。
読了日:3月1日 著者:
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