佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『くじらの朝がえり』(椎名誠:著/文春文庫)

『くじらの朝がえり』(椎名誠:著/文春文庫)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

温泉につかった後、海胆海鞘海鼠問題を語り、走って逃げ帰る。ヒトヅマゆうこと伊豆への旅を楽しみ、日本の河川行政とナマヌル顔の若者に憤る。南の島でタコとりオジイになる老後を夢見つつ、仕事場にこもって1週間のうどん生活。おかげさまでモノカキ生活20年、全国謝恩大巡業、ペンを持ちつつ大鯨飲だ。

 

『くじらの朝がえり』とは何なのか。くじらもはしご酒をするのか。酔っ払って街をフラフラ彷徨い、アヤシイおねえさんに声をかけられフラフラッとどこかに引っ張り込まれたりするのか。飲んだ酒がアセトアルデヒドに変化し頭痛がしたりするのか。そもそもくじらの帰ってくる家はどこにあるのか。そこのところどうなのだ? えっえっ、どうなのだ! と激しく詰問する姿勢で読み始めた。

  例によってぞわぞわっと怖い話もいくつかある。抵抗する3.5メートル級のサナダムシの尻尾をつかんで引きずり出す話。春先の山で稀に見られる「蛇玉」(冬眠から醒めたばかりの蛇が何百匹もからまりあって団子状となりぬらぬらやっている)の話。

 またまた例によって行ってみたい店がいくつかできてしまった。京料理「たんたか」、えぼ鯛のカブト焼を大鉢に入れて熱燗をなみなみ注いだのを回し飲みしたいぞ。小岩にある安居酒屋「浅草バー」。ん? どちらの店も閉店しているのか。残念。若い頃バイト帰りによく言ったという浅草橋の「むつみ屋」は今も営業しているという。さくら鍋で一杯やりたい。

 またまたまた、読みたくなる本の話がいくつもある。『夜来たる』(アイザック・アシモフロバート・シルヴァーバーグ共著)はアシモフが書いた同名の短編をベースにシルヴァーバーグと共に長編にリメイクしたという変わりもの。ほかには『長い雨』(ピーター・ガドル)、『ビッグ・ピクチャー』(ダグラス・ケネディー)、『依頼なき弁護』(スティーヴ・マルティニ)、『アマゾン漂流日記』(坪井伸吾)、『とことんおでん紀行』(新井由己)などなど。こうした本は市内の図書館には置いていない。迷いに迷った末に『夜来たる』(アイザック・アシモフロバート・シルヴァーバーグ共著)と『アマゾン漂流日記』(坪井伸吾)をamazonで検索しポチッとクリックしてしまった。

 シーナさんの本を読むと読みたい本が増えてしまう。シーナさんの本を読むと酒、特にビールを飲みたくなる。シーナさんの本を読むと海を見たくなる。シーナさんの本を読むと麺類が食べたくなる。シーナさんの本を読むと旅に出たくなる。そしてシーナさんの本を読むと別のシーナさんの本を読みたくなる。