佐々陽太朗の日記

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『日本再建を阻む人々 奇怪な言説の主を名指しで糺す』(岩田温:著/かや書房)

2023/05/03

『日本再建を阻む人々 奇怪な言説の主を名指しで糺す』(岩田温:著/かや書房)を読んだ。

 まずは出版社の紹介文を引く。

「悪夢の民主党政権」で沈没しかけた日本を取り戻し、日本経済をV字回復させ、同盟国・アメリカをはじめ、世界中の国々のリーダーから信頼を集めた安倍晋三氏。「日本再建」を成し遂げようとして道半ばで倒れた安倍氏に抵抗し続け、「日本弱体化」に血道を上げてきたのは誰か。彼らの欺瞞を見抜き、再び「悪夢」を招いてはならない!
目次

第1章 救国の保守政治家・安倍晋三を死に追いやったのは誰か

第2章 民意が示されてもなお憲法改正に異を唱えるのは誰か

第3章 我が国にとっても脅威であるロシアの代弁者は誰か

第4章 「多様性」の名の下に文化破壊を目論むのは誰か

第5章 狡猾で悪辣な扇動者=『朝日新聞』の本性

第6章 「日本再建」ではなく「日本弱体化」に血道を上げるのは誰か

 

 

 政治家、学者、TVコメンテーターなど広くメディアで言説が流布される人々のうち、保守の論客である岩田温氏からみて間違っている、あるいは日本の国益を阻害するという人を、実名とその言説をあげて鋭く批判した本。批判の的になった人は河野太郎、えりアルフィア、橋下徹、玉川徹、鈴木宗男上野千鶴子・・・その他多数の面々。個人だけでなく、当然、朝日新聞日本学術会議日本赤軍フェミニストもその標的となっている。私としては書かれた内容について99%の賛意を表するものです。そりゃそうだ。考えが合うから本を買ってまで読んでいるのだ。

 興味深かったのは、岩田氏が高校生の頃に受験勉強そっちのけで『福田恆存全集』を読み耽っていたこと。岩田氏はほんとうに読書家だ。読書の幅も広い。私も高校生の頃は受験勉強をしなければと思いつつ、ついつい小説を読みたい誘惑に負けた口だ。岩田氏が読んで影響を受けたという近松門左衛門は以前から気になりながら未だ読んでいない。近いうちに読んでみようと思う。読書関係で言えば、岩田氏は巻末「おわりに」の中で日本の誇る天才数学者・岡潔氏が「情緒」の重要性を説いたことにふれている。おそらく岡氏の著書『春宵十話』に書かれた「数学の目標は真の中における調和であり、芸術の目標は美の中における調和である。どちらも調和という形で認められるという点で共通しており、そこに働いているのが情緒であるということも同じである。だから両者はふつう考えられている以上によく似ている。」を引いてのことと思うが、私もそれを読んで深く感銘を受けた。こんなところまで気が合うとはうれしいことだ。

 

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