佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『これは経費で落ちません! 11 ~経理部の森若さん~』 (青木祐子:著/集英社オレンジ文庫)

2024/01/24

『これは経費で落ちません! 11 ~経理部の森若さん~』 (青木祐子:著/集英社オレンジ文庫)を読んだ。

 本シリーズもこれで11作目。シリーズのプロローグともいえる『風呂ソムリエ 天天コーポレーション入浴剤開発室』も入れると12作目になる。続編の発売を心待ちにする大好きなシリーズである。

 まずは出版社の紹介文を引く。

結婚に向けて、本格的に動き始めた沙名子と太陽。しかし一緒に生活をするとなると、決めなければならないことがあまりに多い。交際は順調な沙名子と太陽だったが、食い違うことも多く沙名子の不安は積み重なっていく。年始の休みを利用して、お互いの実家に挨拶に行くことになったのだが…?仕事、家事分担、指輪、結婚式、名字などなど…結婚準備は大変すぎる!?慣例。まわりから期待される関係性。これは敵かもしれない。

 

 

 太陽の大阪営業所転勤によって遠距離恋愛となって9ヶ月。二人は結婚にむけてやるべき事をひとつずつつぶしていく。といってもToDoリストを整理したのは沙名子だ。太陽は鷹揚に構えており、結婚は二人がその気になれば簡単にできるものと思っている。しかし沙名子の作ったリストをもとに、どうするかを二人で話し合うとどうすべきか迷うけっこう厄介な問題も多い。沙名子はそうしたことをひとつひとつ丹念にやっていかないと気が済まないたちだ。そしていずれ片づけなければならない問題はサッサと片づけるに如くはないと考えるたちでもある。現実問題への対処において、沙名子は太陽が足下にもおよばないほど優秀だ。そう、二人はまったくタイプの違う人間である。一見ミスマッチな二人に見えて、見方を変えるとお互いが無いものを補うベストカップルにも見えてくるから男女というものは不思議である。

 両親への挨拶はいつどのようなかたちでするか。婚約指輪を買うのかどうか、結婚指輪はどうするか。仕事は今のまま続けるのか、どちらかが会社を辞めるのか。考えれば迷うことばかりだ。いちばんの問題は結婚後どちらの姓を名乗るか。いやはや大変だ。しかしこうしたハードルを造作なく乗り越えてゆけてこそ結婚に至れると言えよう。結婚というのはつくづく人間が試される制度ですな。