佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『緋色の研究【新訳版】』(アーサー・コナン・ドイル:著/深町眞理子:訳/創元推理文庫)

2024/05/20

『緋色の研究【新訳版】』(アーサー・コナン・ドイル:著/深町眞理子:訳/創元推理文庫)を読んだ。

 まずは出版社の紹介文を引く。

異国への従軍から病み衰えて帰国した元軍医のワトスン。下宿を探していたところ、同居人を探している男を紹介され、共同生活を送ることになった。下宿先はベイカー街221番地B、相手の名はシャーロック・ホームズ──。永遠の名コンビとなるふたりが初めて手がけるのは、アメリカ人旅行者の奇怪な殺人事件。その背後にひろがる、長く哀しい物語とは。ホームズ初登場の記念碑的長編! 解題=戸川安宣/解説=高山宏

 

 

 懐かしのシャーロック・ホームズ・シリーズ。小学生の頃、おそらく5年生ぐらいだっただろうか、学校の図書館にあった『シャーロック・ホームズ全集』を読み耽ったものである。あのころ、ホームズと怪盗ルパンは私のヒーローであった。久しぶりに読んでみたいと思っていた。そう思ったきっかけは今年1月に読んだ森見登美彦氏の『シャーロック・ホームズの凱旋 "The Triumphant Return of Sheriock Homes"』(中央公論新社)を読んだことだ。3月の終わりにはチャリンコ旅で金沢の『ミステリーカフェ 謎屋珈琲店 金沢本店』を訪れ「シャーロックホームズの朝食セット」を食べるほど思いは高じていた。図書館で全集を順番に借りて読もうと思っていたのだが、姫路駅の近くにある『ジュンク堂書店』を訪れた時、緋色のカバーの本が平積みされていたのが目にとまった。それが本書で、ちょうど東京創元社の創立70周年フェアで”Aniversary Cover"をまとっていたのだ。あなうれしや。即、衝動買いしたことは言うまでもない。

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 普通の者なら見逃してしまうような些細なことから、その明晰な頭脳を駆使した洞察による推理で真実を言い当て、周りの者を仰天させる痛快さ。優れた推理と行動力で難事件が見事に解決する醍醐味を改めて味わった。子どもの頃読んだワクワク感が蘇って、嬉しかったのなんの。そして還暦を過ぎて読むシャーロック・ホームズは、児童向けの全集とはまた違った味わいがあった。十代から八十代、九十代にいたるまで、読者を虜にするのがシャーロック・ホームズであろう。他の作品も読みたい。