佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

8月の読書メーター

8月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:2927ページ

けっこう読んだな。 


ふたりだけのSeason (角川文庫―わたせせいぞうコレクション)ふたりだけのSeason (角川文庫―わたせせいぞうコレクション)
氏の画には独特の洒落た世界がある。素敵だと思うが、私の世界とは別のものだ。しかし、読んでいる間は思わず引き込まれている。それだけの魅力がある。普段、あまい炭酸飲料を飲まない私が、たまにどうしても飲みたいと思うときがある。そんな感じかな。1冊30分もかからない気分転換。清涼な時間。ポルシェ356か・・・そら、かっこええわな。
読了日:08月30日 著者:わたせ せいぞう


天保悪党伝 (新潮文庫)天保悪党伝 (新潮文庫)
悪党が主人公の話と合っては読者はなかなか主人公に自分を投影できない。しかし、主人公は悪党ではあっても、それぞれがそのようにしか生きられない背景を持っている。そのあたりの描き方はさすがだ。私の好きな藤沢文学ではない。ちと辛いが5点満点中2点しかあげられない。
読了日:08月29日 著者:藤沢 周平


青春夜明け前 (講談社文庫 し 61-10)青春夜明け前 (講談社文庫 し 61-10)
10代の男子の大半は硬派を気どる。男子の中には爽やかに女子と話し、あろうことかデートまでしてしまう「たらし」(「たらし」とは女性を言葉巧みに誘惑して弄び、とっかえひっかえ次々に別の女性と付き合うボケのこと)がいる。心ある男子はそのようなたらしの毒牙にかかろうとしている女子を「どげんかせんといかん」とヤキモキしながらも、現実は如何ともしがたく、世の不条理に激しく怒り且つ嘆く毎日を過ごしている。第一、女子は心ある男子よりも、爽やかな笑顔で「君、可愛いね」などと優しくささやいてくれるたらしの方が好きなのだ。
読了日:08月29日 著者:重松 清


おいしい大阪グランプリ (マガジンハウスムック HanakoWEST)おいしい大阪グランプリ (マガジンハウスムック HanakoWEST)
割烹 大田川 には行ってみた。良かったです。 
読了日:08月23日 著者:

 


人情裏長屋 (新潮文庫)人情裏長屋 (新潮文庫)
驚いたのは表題作『人情裏長屋』だ。めっぽう腕のたつ浪人・松村信兵衛は裏長屋住まい。金の入り用があると「取手呉兵衛」と名乗って道場破りをして金を稼ぐ。あっ、これは今から三十数年前、私がまだ中学生か高校生の頃にテレビでやっていた時代劇『ぶらり信兵衛道場破り』ではないか。
読了日:08月22日 著者:山本 周五郎


あやしい探検隊 バリ島横恋慕 (角川文庫)あやしい探検隊 バリ島横恋慕 (角川文庫)
本書も相変わらずのいきあたりばったりで気の向くままの旅である。しかし、いい加減なバカをやりながらも、旅を通じて「神」について考え続けている。バリ島に住む人々が山や川の自然を信仰する真摯な姿に欧米とは違う「文化の深さ」を見る。軽薄軽妙な文章の中に、我々は人間の生き方を根源から見つめ直す必要があるのではないかとの問いを突きつけられる良書である。
読了日:08月11日 著者:椎名 誠


五郎治殿御始末 (新潮文庫)五郎治殿御始末 (新潮文庫)
6篇のうち、表題作の「五郎治殿御始末」も良いが、「柘榴坂の仇討ち」が秀逸。士は己の事情を語らず、唯々黙して義を貫くのみ。最近は己の都合ばかりを声高に申し立て、利に聡い人が多すぎる。昔にくらべ科学技術が進歩し経済が発展しても、人としてはむしろ退廃しているのではと感ずるのは私だけか。
読了日:08月09日 著者:浅田 次郎


きれぎれ (文春文庫)きれぎれ (文春文庫)
好きか嫌いかは別にして、町田氏が才能に溢れていることは間違いないだろう。しかし、本を読んだ印象だけだが、読むのが辛いというのが正直なところ。この小説の約4年後に書かれた『パンク侍、斬られて候』もアバンギャルドな文体であるが、こちらのほうが数段よろしい。なぜなら『パンク侍、斬られて候』こそ諧謔的な小説だから。
読了日:08月07日 著者:町田 康


日本人の知らない日本語日本人の知らない日本語
コミックエッセイということで軽い作りの本。しかし侮ってはいけません。我々が普段なんとなく普通と思っていることを外国人から質問されたら、そのとたんにあたふたしてしまうこと必定。鋭い視点で日本語の不思議を解き明かしてくれます。本は見かけによりません。人間にたとえると「見た目はバタ臭い水商売風の女性が、実は一橋大学の経済学部に通っていた」と言うぐらいのものです。何故、一橋大学の経済学部を引き合いに出すのかについては突っこまないように。テキトーです。
読了日:08月02日 著者:蛇蔵&海野凪子


dancyu (ダンチュウ) 2009年 07月号 [雑誌]dancyu (ダンチュウ) 2009年 07月号 [雑誌]
読了日:08月02日 著者:

 

 

 


酒場の本。―京阪神の「もう、ここしかない」ええ酒場集 (えるまがMOOK ミーツ・リージョナル別冊)酒場の本。―京阪神の「もう、ここしかない」ええ酒場集 (えるまがMOOK ミーツ・リージョナル別冊)
これらがどれほどの店か、自分のお気に入りになるのかどうか、実際に行ってみるほかありません。しかし、「明治屋(大阪/阿倍野)」「山三(大阪/難波)」あたりをきっちりおさえてあるあたり、信頼して良いのではないかと思います。
読了日:08月02日 著者:


わしらは怪しい探険隊わしらは怪しい探険隊
「神島にしようじゃないの」おぉ!この書き出し、覚えがあります。やっぱり読んでいた。どういう経緯でこの本が本棚から消えてしまったかは謎のままである。しかし、こうして手に入ったのだから良いのだ。折角だからもう一度読み直すのだ、ということで再読しました。やはり素晴らしい。うひひ、うひひと笑いながら一気に読んでしまった。
読了日:08月02日 著者:椎名 誠


銀しゃり[文庫] (小学館文庫)銀しゃり[文庫] (小学館文庫)
まいりました。文句なしに良い小説です。職人として自らに科した規範がある。身分は低くとも、人としての矜持がある。そうした男の生き様に密かに想いを寄せる乙女心がある。武士の心意気、市井の人情がある。そして大切なものを守り続けひたむきに生きる者に、最後の最後に作者はとびきりのハッピーエンドを用意してくれます。このハッピーエンドを安直だとかご都合主義だと言って、眉間に皺をよせて小難しいことをほざく輩など放っておきましょう。人を思いやり、誠実に生きている人には祝福があってほしい。小説にはそれが可能なのだから。
読了日:08月01日 著者:山本 一力