佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅

8月11日

行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅

暗くなった大地を眺めながら、ぼくはあらためて確信した。
世界はまだまだ”探検”するのにふさわしいところなのだ、と。
                    
(本書P68より)

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『行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅』(石田ゆうすけ/著・幻冬舎文庫)を読みました。本屋でこれをみつけたとき思わず手に取りました。チャリダーとしては見逃すわけにはいかない。オマケに解説は私が敬愛する椎名誠氏という贅沢。内藤陳風に言うとすれば「読まずに死ねるか!」なのだ。本の題名を見たとき頭に浮かんだのも内藤陳さんの「読まずに死ねるか!」をもじったのかなということ。椎名誠氏は解説の中でこのタイトルをあまり気に入っていない、もっと爽やかなタイトルでも良かったのではないかと言っている。しかし本を読んでみて「行かずに死ねるか!」という題名にはもっと深い作者の思いがあることが判った。それはそれで良いのだ。文句ないのだ。

それにしても石田ゆうすけという人は凄い。夢を諦めたら一生後悔がつきまとうんじゃないかという想いで大企業を退職し、自転車世界一周の旅に出てしまうとは。私には到底真似できない。私なら自転車世界一周という夢を叶えても、日本へ帰ってきてからのその後の生活で、やっぱりあのまま会社に勤めていれば良かったなどと後悔するのじゃないかと考えてしまうだろう。安定した生活を捨てて、未知の世界へ一人でこぎ出す勇気はない。しかしそんな私も一人のチャリダーとして日本一周ぐらいはしてみたいものだ。何年か先に仕事を辞めて時間が出来たら……、きっと……。

裏表紙の紹介文を引きます。

「平穏な人生?それが運命なら自分で変えてやる!」そう決意してこぎだした自転車世界一周の道。だが、砂漠地帯で拳銃を持った強盗が―!身ぐるみはがされた後も疾走し、出会いと別れを繰り返しながら駆け抜けた七年半の旅。笑えて泣ける、大興奮紀行エッセイ。単行本を大幅に加筆・訂正し、新たなエピソードも収録した文庫改訂版。

 

 

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