佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

2015年2月の読書メーター

 

2015年2月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:3652ページ
ナイス数:2321ナイス

三匹のおっさん ふたたび (新潮文庫)三匹のおっさん ふたたび (新潮文庫)感想
待ってました! 三匹のおっさんReturns!!! 読み慣れたためか、第1弾ほどのわくわく感は無い。しかし最後におまけがついていました。”bonus track”としての短編「好きだよと言えずに初恋は、」。有川流恋愛小説の最高峰『植物図鑑』の主人公、樹とさやかの息子と第1弾『三匹のおっさん』に登場した富永潤子の淡い恋心を描いた作品なのです。まぁ、私、この短編は2009年8月号『野生時代 第69号』で既に読んでいるのです。エヘン。このあたり、有川さんの作品をむさぼり読んでいるファンにはたまらんですね。
読了日:2月1日 著者:有川浩


食堂つばめ 2 明日へのピクニック (ハルキ文庫)食堂つばめ 2 明日へのピクニック (ハルキ文庫)感想
ハートウォーミングな物語。わるくない。わるくないが何か物足りない気がぬぐえない。このシリーズは今、④まで出版されているようだ。取り敢えず一休みして、続きを読みたくなるまでこのまま留保します。さくさく読めるし、けっして負担にはならないのだが、そうすることに決めました。わるくない、決してわるくないのだが・・・
読了日:2月2日 著者:矢崎存美

 

 


花筏 谷崎潤一郎・松子 たゆたう記 (講談社文庫)花筏 谷崎潤一郎・松子 たゆたう記 (講談社文庫)感想
人間ってのはつくづく怖い生き物だ。なかんずく女は怖い。くわばらくわばら。と、謂いつつ、谷崎をもう一度読み直してみようかと思う。私の中にも魔物が棲むのか・・・
読了日:2月6日 著者:鳥越碧

 

 

 

 


探偵ガリレオ (文春文庫)探偵ガリレオ (文春文庫)感想
読んでいて、私のなかで何かがひっかかっていた。なんだか違和感があるのだ。途中でその違和感の原因に気がついた。湯川学=福山雅治と脳内変換して読んでいたのだが、なんとなくイメージがずれているのだ。佐野史郎氏の「解説」を読んでわかりました。東野さんは佐野さんをイメージして湯川学のキャラを作り上げていたのですね。そりゃあ、違和感ありすぎでしょ(笑) それにしても小説のドラマ化、映画化はどうしてこうも原作のテイストを無茶苦茶にするのでしょうか。
読了日:2月11日 著者:東野圭吾


世界史の極意 (NHK出版新書 451)世界史の極意 (NHK出版新書 451)感想
現代は未だ「帝国主義」の時代である。植民地を求めないのは単に植民地の維持コストが高まったからに過ぎない。外部からの搾取によって生き残りを図るという行動様式に変化はない。(新・帝国主義)そして新・帝国主義は資本主義、ナショナリズム、宗教の三つの掛け算で動いている。その実相をアナロジカルに把握することではじめて戦争を回避できる。と、まあ、こういうことかな?
読了日:2月14日 著者:佐藤優

 

 


火星年代記 (ハヤカワ文庫SF)火星年代記 (ハヤカワ文庫SF)感想
これはまさにアメリカ移民の子孫たるブラッドベリの原罪意識が書かせた小説ではないか。西欧人によるアメリカ大陸の征服あるいは入植で原住民の居住地と財産を奪い、殺戮し、免疫のない伝染病に罹らせてしまったといった罪の意識である。その意味で『アメリ年代記』といって差し支えないと思われる。「月は今でも明るいが」に登場するスペンダーに共感を覚えた。 読み終えた後、久しぶりにRocket Man(Elton John)と Cortez the Killer(Neil Young)を聴いた。
読了日:2月14日 著者:レイブラッドベリ


時が新しかったころ (創元SF文庫)時が新しかったころ (創元SF文庫)感想
もしも愛に飢えた男が目の前にいたとしたら・・・、私は迷わずロバート・F・ヤングたんぽぽ娘』を読むことをすすめるだろう。それでも足りなければこの本『時が新しかったころ』を渡すだろう。この二冊を読んで愛の奇跡を信じられない男はいないと私は断言する。ヤングの甘さは最強だ。何がすごいと謂って「純愛が時空を超える」のである。私は愛だの恋だの惚れた腫れたはすっかり忘却の彼方の中年のオジサンである。しかし、そんな私の心も、ヤングの甘さの前にはもうメロメロである。
読了日:2月18日 著者:ロバート・F・ヤング


明日のことは知らず 髪結い伊三次捕物余話 (文春文庫)明日のことは知らず 髪結い伊三次捕物余話 (文春文庫)感想
題名が『明日のことは知らず』ということで、宇江佐さんの体調のことが気になった。しかし、あとがきを読むと今のところ安定していらっしゃる由、ほっとしました。ご病気にもかかわらず精力的に仕事をしていらっしゃるお姿を心から尊敬しております。私がもしそのような境遇にあれば・・・と考えたとき、なかなか宇江佐さんのようには出来ますまい。お手本とさせていただきます。
読了日:2月20日 著者:宇江佐真理

 


春琴抄 (新潮文庫)春琴抄 (新潮文庫)感想
ほぼ40年ぶりの再読。やっかいな小説です。句読点や改行が無いのもやっかいだが、謎が多すぎる。謎を謎として楽しめばよいのかもしれないが、本当のところはどうなのか、谷崎に訊いてみたいという思いがぬぐいきれない。しかし、仮に私の目の前に谷崎が居たとして、それを訊ねるわけにはいくまい。なぜなら谷崎はこの小説で読者を試しているような気がするのだ。「君にこの世界が理解できるのかい?」と。
読了日:2月22日 著者:谷崎潤一郎

 


ジョナサンと宇宙クジラ (ハヤカワ文庫SF)ジョナサンと宇宙クジラ (ハヤカワ文庫SF)感想
すれっからしにはロバート・F・ヤングの良さはけっして判るまい。小説の価値はそれを書いた人、あるいは読んだ人の意識が付加したものなのだ。だとすれば、それが不愉快なものでなく、心温まるもの、甘い夢であって悪いはずはない。SF通にいわせればF・ヤングの小説は叙情的に過ぎて読んでいられないかもしれない。確かに病んだテイストのSFはクールだ。しかし「甘くセンチメンタルなラブストーリーがSFであって何が悪い!」と私は開き直って反問する。私はくたびれた中年男であるが未だに少しピュアな心を持つ男でもある。笑わば笑え。
読了日:2月24日 著者:ロバート・フランクリンヤング


宰相の二番目の娘 (創元SF文庫)宰相の二番目の娘 (創元SF文庫)感想
正直なところ、千夜一夜物語をモチーフにした冒険譚がダラダラと続いたところはいただけない。しかし、大団円はこれこそF・ヤングといったお約束の結末。私は、この甘さ、このハッピーエンドが読みたかったのです。『時を生きる種族(ファンタスティック時間SF傑作選)』を発注しました。もちろんヤングの『真鍮の都』を読むために。
読了日:2月26日 著者:ロバート・F・ヤング

 

 


ぶたぶたの休日 (徳間文庫)ぶたぶたの休日 (徳間文庫)感想
ぶたぶたシリーズ3冊目。このシリーズを読むと肩の力が抜けます。眉間のしわもとれました。人生いろいろありますが、家族が朗らかに暮らすことが一番大切なのだと再確認。他のことは大したことではない。そう、ぶたのぬいぐるみが料理をしていようが、野球をしていようが、刑事であろうが、そんなことは大したことではない。Let it be. あるがままに・・・
読了日:2月27日 著者:矢崎存美