佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『活版印刷三日月堂 小さな折り紙』(ほしおさなえ:著/ポプラ文庫)

活版印刷日月堂 小さな折り紙』(ほしおさなえ:著/ポプラ文庫)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

 小さな活版印刷所「三日月堂」。店主の弓子が活字を拾い刷り上げるのは、誰かの忘れていた記憶や、言えなかった言葉―。三日月堂が軌道に乗り始めた一方で、金子は愛を育み、柚原は人生に悩み…。そして弓子達のその後とは?三日月堂の「未来」が描かれる番外編。

累計30万部突破! みんなが気になる、三日月堂の「未来」が描かれる短編集。

 

 

 

  とうとう本シリーズもこれでおしまい。読み終えてしまうのがもったいなくて番外編の2冊は読まずにおいていたのだが、新型コロナウイルスによる巣ごもり生活の中で何か心優しい物語をと手を伸ばした。

 読み始めたら頁を捲る手が止まらなかった。そして涙も。「生きているものはみなあとを残す。印刷はあとを残す行為」 そのとおりだと思います。そして印刷によってあとが残された「言葉」、その言葉は植物の種のように人の心に落ちて芽を出す。いつしかその言葉はその人の心の空で光り出す。それはその言葉を紡いだ人があとの人に残した大切な道しるべとなる。言葉を残すことの素晴らしさ、活字の持つ力に想いをいたしながらそっと頁を閉じた。