佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『鴨川食堂 ひっこし』(柏井壽:著/小学館文庫)

2023/03/24

『鴨川食堂 ひっこし』(柏井壽:著/小学館文庫)を読んだ。今月7日発売のシリーズ最新刊である。

 まずは出版社の紹介文を引く。

京都発! 大人気美味しいミステリー第10弾

「鴨川はんには申しわけないんやが立ち退いて欲しいんや」。

京都・東本願寺近くにひっそりと佇む食堂で、依頼人の“もう一度食べたい”を叶えてきた鴨川流・こいし親娘。

ある日、食堂の大家が店を訪れ、一帯の再開発にともない建物を明け渡して欲しいと流に告げる。移転か店じまいか、戸惑いながらも話し合いを始める流とこいし。

そして世代交代も考え始めた流は、こいしに亡くなった妻・掬子との思い出の味を探してほしいと依頼し――。


第一話 紅白餅……流の探しもの

第二話 ボルシチ……最後の答え合わせ

第三話 カレーうどん……店の命運


心もお腹も温まる、美味しいミステリー最新作、第10弾。

鴨川親娘が実在の名店を巡る番外編、「鴨川食堂おでかけ」も収録!

 

 

 鴨川食堂シリーズも今巻がいよいよ10巻目。京都の鴨川付近にひっそりと食堂を営む主人公親子が、依頼があれば探偵となり「思い出の食」を捜すというスタイルは当初から不動のものだ。その食堂は東本願寺の近くにあるのだが、今巻では家主からの立ち退き依頼がありいよいよ引越先を捜すことに。どうやら店の移転先が固まったようで、次巻からひょっとして新たな展開があるのかというところ。

 今巻のエピソードは3話と少なめだが、そのかわり番外編「鴨川食堂おでかけ」と題して実在の名店紹介がある。全部で25店紹介してあったが、私が訪れたことがあるのは6店。三割に満たない。まだまだ修行が足りません。元気で長生きすればあるいは全店制覇できるかもしれぬ。紹介された店は京都を中心に関西圏が多いのでその気になれば案外早いかもなどと美食旅を想像するのも楽しい。