5月7日
お腹召しませ(おはらめしませ)
『お腹召しませ』(浅田次郎・著/中公文庫)を読みました。
裏表紙の紹介文を引きます。
お家を守るため、妻にも娘にも「お腹召しませ」とせっつかれる高津又兵衛が、最後に下した決断は…。武士の本義が薄れた幕末維新期、惑いながらもおのれを貫いた男たちの物語。表題作ほか全六篇。中央公論文芸賞・司馬遼太郎賞受賞。
『五郎治殿御始末』につづく幕末もの短編集。さすが浅田氏は短編の名手、どれも素晴らしい。
しみじみとした悲哀を感じるが、浅田氏お得意の「泣かせ」はありません。
泣ける話も入れてほしかったな。表題作「お腹召しませ」と「女敵討」が秀逸。